学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §4 退行性病変・代謝障害 / QJ28A119

理由で解く 柔道整復師

QJ28A119 病理学概論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問119
問題
アミロイドタンパクの沈着がみられるのはどれか。
選択肢
1 アルツハイマー(Alzheimer)病
2 結節性多発動脈炎
3 細動脈硬化症
4 フォン・ギルケ(von Gierke) 病
解答
正解1(アルツハイマー(Alzheimer)病)
解説

アルツハイマー病では、大脳皮質にアミロイドβ蛋白が細胞外に沈着して老人斑を形成します。4肢のうちアミロイド沈着を本態とするのはこれだけです。

アミロイドとは、βシート構造をとって線維状に固まった異常蛋白の総称で、コンゴレッド染色で橙赤色に染まり、偏光顕微鏡で緑色の複屈折を示すのが共通の性質です。全身性アミロイドーシスのほか、臓器や部位が限られる限局性アミロイドーシスがあり、アルツハイマー病の老人斑はその代表格です(同じ病気でみられる神経原線維変化のほうは、リン酸化したタウ蛋白が神経細胞内にたまったもので、アミロイドとは別物である点も押さえておきます)。他の3肢はそれぞれ、血管壁のフィブリノイド壊死、血漿蛋白による硝子変性、グリコーゲンの過剰蓄積であり、「細胞や組織に何がたまる/何が起こるか」で区別すると取り違えません。

✓ 1. 正しい
アルツハイマー(Alzheimer)病
大脳皮質にアミロイドβ蛋白が細胞外に沈着して老人斑をつくり、脳血管壁にも沈着します(脳アミロイド血管症)。これに神経細胞内のタウ蛋白による神経原線維変化と高度の脳萎縮が加わるのが本症の病理像です。アミロイド蛋白の沈着がみられる疾患として正しい肢です。
✗ 2. 誤り
結節性多発動脈炎
中型動脈を主に侵す壊死性血管炎で、血管壁のフィブリノイド(類線維素)壊死と炎症細胞浸潤、動脈瘤形成を特徴とします。沈着するのはアミロイドではなくフィブリンを主体とする物質です。
✗ 3. 誤り
細動脈硬化症
高血圧や糖尿病を背景に細動脈壁へ血漿蛋白がしみ込み、均質・ガラス様に見える硝子変性(硝子様細動脈硬化)を起こします。見た目は均質でも成分はアミロイドではありません。
✗ 4. 誤り
フォン・ギルケ(von Gierke) 病
糖原病I型で、グルコース-6-ホスファターゼの欠損によりグリコーゲンを分解できず、肝や腎にグリコーゲンが過剰に蓄積します。肝腫大と低血糖が主症状で、蓄積するのは糖質でありアミロイド(蛋白)ではありません。
ポイント
  • アミロイド=βシート構造をとる線維状の異常蛋白。コンゴレッド染色で橙赤色、偏光下で緑色の複屈折を示す。
  • アルツハイマー病:アミロイドβの細胞外沈着=老人斑。神経原線維変化はタウ蛋白(別物)。
  • 結節性多発動脈炎はフィブリノイド壊死、細動脈硬化症は硝子変性と、沈着物で区別する。
  • von Gierke病(糖原病I型)はグリコーゲンの蓄積で、肝腫大と低血糖をきたす。
  • 「変性・沈着」の問題は、病名ごとにたまる物質の名前を1語で言えるようにしておく。
比較表
疾患沈着・蓄積するもの主な場所
アルツハイマー病アミロイドβ蛋白(老人斑)/タウ蛋白(神経原線維変化)大脳皮質、脳血管壁
結節性多発動脈炎フィブリノイド(類線維素)=壊死性血管炎中型動脈の壁
細動脈硬化症血漿蛋白による硝子様物質(硝子変性)細動脈の壁
von Gierke病(糖原病I型)グリコーゲン肝・腎
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