学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §4 退行性病変・代謝障害 / QJ27A100

理由で解く 柔道整復師

QJ27A100 病理学概論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問100
問題
死の判定基準のうち脳死の基準のみに含まれるのはどれか。
選択肢
1 呼吸の停止
2 心音の停止
3 瞳孔反射の消失
4 平坦脳波
解答
正解4(平坦脳波)
解説

従来の死の三徴候(心拍動停止・呼吸停止・瞳孔散大と対光反射消失)に平坦脳波は含まれません。脳波の平坦化を確認するのは脳死判定だけなので、正答は平坦脳波です。

2つの基準は「何をもって死とみなすか」の考え方が異なります。三徴候死は心肺機能と脳幹反射の停止を体表から確認する古典的判定で、日常の死亡確認はこれによります。一方の脳死は脳幹を含む全脳の不可逆的機能停止であり、人工呼吸器で呼吸と循環が維持されている状況で判定します。法的脳死判定では、深昏睡、瞳孔固定(両側4mm以上)、脳幹反射の消失、平坦脳波、自発呼吸の消失(無呼吸テスト)を確認し、一定時間(6歳以上では6時間以上)をおいて再度同じ検査を繰り返します。選択肢を見比べる際は「三徴候にも入っているか」で振り分けると確実で、呼吸停止と瞳孔反射消失は両方に共通するため答えになりません。

✓ 4. 正しい
平坦脳波
脳死判定にのみ含まれる項目です。大脳皮質の電気的活動が消失していることを脳波で客観的に示すもので、法的脳死判定では感度を上げた条件で一定時間(30分以上)記録します。三徴候死の確認では脳波検査は行わないため、この項目だけが脳死判定に固有です。
✗ 1. 誤り
呼吸の停止
三徴候死にも脳死判定にも含まれるため、「脳死の基準のみ」には当たりません。ただし確認方法は異なり、三徴候死では自発呼吸の消失をそのまま観察するのに対し、脳死判定では人工呼吸器を一時的に外して動脈血二酸化炭素分圧を上昇させても呼吸中枢が反応しないことを確認する無呼吸テストを、最後に実施します。
✗ 2. 誤り
心音の停止
これは三徴候死の側に固有の項目で、脳死判定には含まれません。脳死は人工呼吸器によって心拍と循環が保たれている状態で判定するため、心停止していないことがむしろ前提となります。設問が求めているのは逆方向なので答えになりません。
✗ 3. 誤り
瞳孔反射の消失
両方の基準に共通する項目です。三徴候死では瞳孔散大と対光反射消失として確認し、脳死判定では瞳孔が固定して両側とも4mm以上であることに加え、対光反射を含む脳幹反射(角膜反射、毛様体脊髄反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反射、咳反射)すべての消失を確認します。共通項なので「脳死のみ」には該当しません。
ポイント
  • 死の三徴候=心拍動(心音)停止・呼吸停止・瞳孔散大と対光反射消失。
  • 脳死=脳幹を含む全脳の不可逆的機能停止。人工呼吸器で循環が保たれている状態で判定する。
  • 法的脳死判定の項目:深昏睡、瞳孔固定(両側4mm以上)、脳幹反射消失、平坦脳波、自発呼吸消失(無呼吸テスト)、一定時間後の再確認。
  • 共通するのは呼吸停止と瞳孔反射消失。脳死のみに固有なのが平坦脳波、三徴候のみに固有なのが心音停止。
  • 植物状態は脳幹機能が残り自発呼吸があるため、脳死とは明確に区別する。
比較表
項目三徴候死脳死判定
心音(心拍動)の停止含む含まない(循環は維持されている)
呼吸の停止含む含む(無呼吸テストで確認)
瞳孔反射の消失含む含む(瞳孔固定+脳幹反射消失)
平坦脳波含まない含む(脳死のみに固有)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。