学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 病理学概論 ▸ §4 退行性病変・代謝障害 / QJ27A099
理由で解く 柔道整復師
アルコール性肝障害の出発点はアルコール性脂肪肝、すなわち肝細胞内に中性脂肪がたまる脂肪変性です。他の3つの変性は、それぞれ別の疾患群を代表する所見です。
エタノールは肝細胞内でアルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒドへ、さらにアルデヒド脱水素酵素により酢酸へ代謝されます。この2段階でNADHが大量に産生されてNADH/NAD⁺比が上昇し、脂肪酸のβ酸化が抑制される一方で中性脂肪の合成が促進されるため、肝細胞質に大きな脂肪滴がたまり核が辺縁へ押しやられます(大滴性脂肪変性)。飲酒が続くとアルコール性肝炎(マロリー小体の出現と好中球浸潤)、線維化を経て肝硬変へ進みますが、脂肪肝の段階であれば禁酒により可逆的に改善します。だからこそ早期の断酒支援と栄養状態の評価につなげることが重要です。
| 変性 | 蓄積・変化する物質 | 代表的な病態 |
|---|---|---|
| 脂肪変性 | 中性脂肪 | アルコール性脂肪肝、肥満、糖尿病、低栄養 |
| アミロイド変性 | アミロイド(異常線維蛋白) | 多発性骨髄腫、慢性炎症、長期透析 |
| フィブリノイド変性 | フィブリン様物質 | 膠原病(SLE・結節性多発動脈炎)、悪性高血圧 |
| 糖原変性 | グリコーゲン | 糖原病、コントロール不良の糖尿病 |
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