学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 生理学 ▸ §7 体温とその調節 / QJ28A092
理由で解く 柔道整復師
発熱時に視床下部の体温調節中枢へ直接働きかけ、設定温度(セットポイント)を引き上げるのはプロスタグランジンE₂である。
体温調節中枢は視床下部の視索前野・前視床下部にあり、いわばサーモスタットの設定値を保持している。細菌の内毒素などの外因性発熱物質が単球・マクロファージを刺激すると、インターロイキン1(IL-1)、IL-6、腫瘍壊死因子(TNF-α)といった内因性発熱物質(サイトカイン)が産生される。これらが脳の血管内皮などでシクロオキシゲナーゼを介してプロスタグランジンE₂を作らせ、PGE₂が体温調節中枢に作用してセットポイントを上げる。設定が上がった直後は、実際の体温が新しい設定より低いと判定されるため、悪寒・戦慄(シバリング)による熱産生と、皮膚血管収縮・立毛による熱放散の抑制が起こる。これが発熱の上昇期に寒気を感じ、震える理由である。設定が下がる解熱期には逆に皮膚血管が拡張し発汗が起こる。解熱鎮痛薬(NSAIDs)はシクロオキシゲナーゼを阻害してPGE₂産生を減らし、セットポイントを元に戻すことで解熱する。悪寒がある上昇期は保温、発汗のある解熱期は水分補給と着替え、というように時期に応じた対応を選べるようにしておきたい。
| 物質 | 主な産生部位 | 主な作用 |
|---|---|---|
| プロスタグランジンE₂ | 脳血管内皮ほか各組織 | 体温セットポイント上昇、発痛増強、炎症 |
| エリスロポエチン | 腎(尿細管間質細胞) | 赤血球産生の促進 |
| コルチゾール | 副腎皮質(束状層) | 糖新生、抗炎症・免疫抑制 |
| ヒスタミン | 肥満細胞・好塩基球 | 血管拡張・透過性亢進、気管支収縮、胃酸分泌促進 |
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