学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §7 体温とその調節 / QJ29A092

理由で解く 柔道整復師

QJ29A092 生理学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問92
問題
体温で正しいのはどれか。
選択肢
1 早朝時が最も高い。
2 新生児では環境温の影響を受けやすい。
3 月経周期の排卵時に一時的に高くなる。
4 深部温として最も信頼性が高いのは腋窩温である。
解答
正解2(新生児では環境温の影響を受けやすい。)
解説

新生児は体重あたりの体表面積が大きく、体温調節の仕組みも未熟なため、環境温の影響を受けやすいのが特徴です。保温への配慮が欠かせない理由がここにあります。

熱は体表面から逃げるので、体重に対して表面積の比が大きいほど失われやすくなります。新生児はこの比が成人の約3倍あり、加えて皮下脂肪という断熱材が薄く、視床下部の体温調節中枢も発達途上です。さらに、ふるえによる熱産生がまだ十分にできないため、肩甲間部や腎周囲の褐色脂肪組織を燃やす非ふるえ産熱に頼っています。こうした事情が重なり、新生児は環境温が下がれば低体温に、上がれば高体温に傾きやすくなります。だからこそ、出生直後に体を拭いて濡れを取り、室温を保ち、保温器や着衣で環境温を整える対応が求められます。一方、健常な成人の体温には日内変動があり、早朝の午前2〜6時ごろに最も低く、夕方の午後3〜6時ごろに最も高くなります。

✓ 2. 正しい
新生児では環境温の影響を受けやすい。
体重あたりの体表面積が大きく皮下脂肪が薄いうえ、体温調節中枢が未熟でふるえ産熱も十分でないため、環境温に体温が左右されやすくなります。室温管理と保温が重要になる根拠です。
✗ 1. 誤り
早朝時が最も高い。
体温の日内変動では、早朝(午前2〜6時ごろ)が最も低く、夕方(午後3〜6時ごろ)が最も高くなります。高低が逆です。この変動は約1℃以内で、活動量と代謝の日内リズムを反映します。
✗ 3. 誤り
月経周期の排卵時に一時的に高くなる。
基礎体温は排卵の直前にいったん下がり、排卵後に黄体から分泌されるプロゲステロンの作用で0.3〜0.5℃上昇して高温相に入ります。上がるのは排卵の「後」であって排卵時ではありません。
✗ 4. 誤り
深部温として最も信頼性が高いのは腋窩温である。
深部温(核心温)の指標として最も信頼性が高いのは直腸温で、次いで視床下部の温度をよく反映する鼓膜温です。腋窩温は測りやすい反面、外気温・発汗・腋を閉じる程度に左右され、直腸温より0.5〜1℃ほど低く出ます。深部温を代表する値としてはむしろ信頼性が低い部類で、記述が逆です。
ポイント
  • 新生児は体重あたりの体表面積が大きく、皮下脂肪が薄く、体温調節中枢も未熟なため環境温の影響を受けやすい。
  • 新生児はふるえ産熱が乏しく、褐色脂肪組織による非ふるえ産熱に依存する。
  • 体温の日内変動は早朝(午前2〜6時ごろ)が最低、夕方(午後3〜6時ごろ)が最高。
  • 基礎体温は排卵直前に下降し、排卵後にプロゲステロンの作用で0.3〜0.5℃上昇して高温相となる。
  • 深部体温の指標として最も信頼性が高いのは直腸温、次いで鼓膜温。腋窩温・口腔温は環境や飲食の影響を受けやすく低めに出る。
比較表
測定部位特徴影響を受けやすい要因
直腸温深部体温をよく反映し安定。最も高い値影響を受けにくい
鼓膜温視床下部の温度に近く、短時間で測れる測定手技、外耳道の状態
口腔温直腸温よりやや低い飲食、開口呼吸
腋窩温最も測りやすいが最も低い値外気温、発汗、密着の程度
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