学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §9 内分泌 / QJ29A093

理由で解く 柔道整復師

QJ29A093 生理学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問93
問題
蛋白質に結合しないで血中運搬されるのはどれか。
選択肢
1 ビタミンD
2 エストロゲン
3 甲状腺ホルモン
4 副腎皮質刺激ホルモン
解答
正解4(副腎皮質刺激ホルモン)
解説

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)はペプチドホルモンで水に溶けやすく、結合蛋白を必要とせずそのまま血漿中を運ばれます。他の3つは脂溶性で、血中では運搬蛋白と結合しています。

ホルモンの血中輸送は「水に溶けるか、油に溶けるか」で決まります。ペプチド・蛋白質ホルモンやカテコールアミンは水溶性なので、血漿にそのまま溶けて標的細胞まで届き、細胞膜表面の受容体に結合します。半減期は数分と短く、必要なときに素早く出して素早く消す調節に向いています。一方、ステロイドホルモン・甲状腺ホルモン・ビタミンD(活性型は事実上ステロイドホルモンとして働きます)は脂溶性で、そのままでは血漿に溶けにくく、腎臓から漏れ出てしまいます。そこで専用の結合蛋白やアルブミンに乗って運ばれ、これが貯蔵庫の役割も果たすため半減期が長くなります。ここで大切なのは、結合型は不活性で、遊離型(フリー)だけが細胞内に入って作用するという点です。甲状腺機能の評価に遊離T4(FT4)を測るのは、この理屈によります。

✓ 4. これが答え
副腎皮質刺激ホルモン
ACTHは下垂体前葉から分泌される39個のアミノ酸からなるペプチドホルモンです。水溶性なので運搬蛋白を必要とせず血漿にそのまま溶けて運ばれ、半減期も短いのが特徴です。
✗ 1. 当てはまらない
ビタミンD
ビタミンDは脂溶性で、血中ではビタミンD結合蛋白(DBP)と結合して運ばれます。肝臓と腎臓で水酸化を受けて活性型となり、腸管からのカルシウム吸収を促進します。
✗ 2. 当てはまらない
エストロゲン
エストロゲンはコレステロールから作られるステロイドホルモンで脂溶性です。血中では性ホルモン結合グロブリン(SHBG)やアルブミンと結合して運ばれます。
✗ 3. 当てはまらない
甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモン(T3・T4)はヨウ素を含む脂溶性ホルモンで、血中の99%以上がサイロキシン結合グロブリン(TBG)などと結合しています。作用をもつのは残りわずかな遊離型です。
ポイント
  • 水溶性ホルモン(ペプチド・蛋白質・カテコールアミン)は結合蛋白なしで血漿に溶けて運ばれる。半減期は短い。
  • 脂溶性ホルモン(ステロイド・甲状腺ホルモン・ビタミンD)は運搬蛋白と結合して運ばれる。半減期は長い。
  • 結合型は不活性で、遊離型(フリー)だけが細胞内へ入って作用する。
  • ビタミンD→DBP、エストロゲン→SHBGやアルブミン、甲状腺ホルモン→TBGが運搬役。
  • 水溶性は細胞膜表面の受容体に、脂溶性は細胞内(核内)受容体に結合する。
比較表
ホルモン性質血中の運搬形態受容体の位置
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)ペプチド/水溶性結合蛋白なし(そのまま溶ける)細胞膜
ビタミンD脂溶性ビタミンD結合蛋白(DBP)細胞内(核内)
エストロゲンステロイド/脂溶性SHBG、アルブミン細胞内(核内)
甲状腺ホルモン(T3・T4)脂溶性TBGなど(99%以上が結合型)細胞内(核内)
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