学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §11 骨の生理 / QJ28A091

理由で解く 柔道整復師

QJ28A091 生理学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問91
問題
不足すると骨軟化症の原因となるのはどれか。
選択肢
1 ビタミンA
2 ビタミンB1
3 ビタミンC
4 ビタミンD
解答
正解4(ビタミンD)
解説

骨軟化症は、骨基質(類骨)に石灰化が進まないために骨が柔らかくなる病態で、原因となるのはビタミンDの不足です。

ビタミンDは皮膚で7-デヒドロコレステロールが紫外線を受けてビタミンD3となり、肝臓で25位、腎臓で1α位の水酸化を受けて活性型(1,25-ジヒドロキシビタミンD)になります。活性型ビタミンDの主な働きは、小腸からのカルシウムとリンの吸収を促進することです。これが不足するとCa・Pが足りず、骨基質にハイドロキシアパタイトが沈着できないため、石灰化されていない類骨が増えて骨が柔らかくなります。同じ原因でも、骨端線が閉じる前の小児に起こればくる病(O脚・肋骨念珠など)、骨端線閉鎖後の成人に起これば骨軟化症(骨痛、偽骨折、筋力低下)と呼び名が変わる点が試験でよく問われます。日光曝露の不足、摂取不足、脂肪吸収障害のほか、腎不全で1α水酸化ができない場合にも起こります。予防・改善には適度な日光浴、ビタミンDを含む食品(魚類、きのこ類)の摂取、カルシウムの確保が有効で、施術の場では骨痛や歩行時のふらつきを訴える例で医療機関受診をすすめる判断につながります。

✓ 4. 正しい
ビタミンD
活性型ビタミンDは小腸でのCa・P吸収を促進します。不足するとCa・Pが不足して骨基質の石灰化が障害され、小児ではくる病、成人では骨軟化症を生じます。
✗ 1. 誤り
ビタミンA
ビタミンAはロドプシンの材料であり、上皮の維持にも関わります。欠乏で生じるのは夜盲症や眼球乾燥症、皮膚・粘膜の角化異常で、骨軟化症の原因ではありません(なお過剰摂取では頭蓋内圧亢進や骨の障害が問題になります)。
✗ 2. 誤り
ビタミンB1
ビタミンB1(チアミン)は糖代謝の補酵素で、欠乏すると脚気(末梢神経障害、心不全)やウェルニッケ脳症を起こします。骨の石灰化には直接関与しません。
✗ 3. 誤り
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲン合成(プロリン・リジンの水酸化)に必要で、欠乏すると壊血病となり出血傾向や創傷治癒の遅れを生じます。骨の有機基質の質にも影響しますが、Ca・Pの吸収低下による石灰化障害である骨軟化症とは機序が異なります。
ポイント
  • ビタミンDは小腸からのCa・P吸収を促進する。不足すると骨基質の石灰化が障害され、類骨が増えて骨が柔らかくなる。
  • 同じ病態でも、骨端線閉鎖前(小児)はくる病、閉鎖後(成人)は骨軟化症と呼ぶ。
  • 活性化の道すじ:皮膚(紫外線)→ビタミンD3→肝で25位水酸化→腎で1α位水酸化→活性型1,25-(OH)2D。日光不足や腎不全でも欠乏しうる。
  • 骨軟化症=石灰化不良(骨基質の量は保たれる)、骨粗鬆症=石灰化は正常だが骨量そのものが減少。混同しないこと。
  • 主なビタミン欠乏症:A=夜盲症、B1=脚気、B12・葉酸=巨赤芽球性貧血、C=壊血病、D=くる病/骨軟化症、K=出血傾向。
比較表
ビタミン主な働き欠乏症
A視覚(ロドプシン)、上皮の維持夜盲症、眼球乾燥症
B1糖代謝の補酵素脚気、ウェルニッケ脳症
Cコラーゲン合成、抗酸化壊血病(出血傾向、創傷治癒遅延)
D小腸でのCa・P吸収促進くる病(小児)・骨軟化症(成人)
K凝固因子・オステオカルシンの生成出血傾向、新生児メレナ
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。