学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §5 消化と吸収 / QJ28A090

理由で解く 柔道整復師

QJ28A090 生理学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問90
問題
膵液に含まれないのはどれか。
選択肢
1 アミラーゼ
2 トリプシノーゲン
3 ペプシノーゲン
4 リパーゼ
解答
正解3(ペプシノーゲン)
解説

膵液には糖質・タンパク質・脂質すべてに対応する消化酵素が含まれるが、ペプシノーゲンは胃の主細胞から分泌される胃液の成分であり、膵液には含まれない。

膵液は1日約1〜1.5L分泌され、HCO₃⁻に富む弱アルカリ性で、胃から送られた酸性の粥を中和して小腸の酵素が働ける環境(pH約7〜8)をつくる。含まれる酵素は、糖質にはアミラーゼ、タンパク質にはトリプシノーゲン・キモトリプシノーゲン・プロカルボキシペプチダーゼ、脂質にはリパーゼ(コリパーゼとともに働く)、そのほか核酸分解酵素などである。タンパク分解酵素はすべて不活性な前駆体(〜ノーゲン、プロ〜)の形で分泌される点が重要で、これは膵臓自身が消化されるのを防ぐためである。十二指腸粘膜のエンテロキナーゼ(エンテロペプチダーゼ)がトリプシノーゲンをトリプシンに変え、そのトリプシンが他の前駆体を連鎖的に活性化する。一方ペプシノーゲンは胃の主細胞から分泌され、胃酸によってペプシンとなり、酸性環境(至適pH約2)でタンパク質を分解する。酵素の名前を覚えるときは、必ず「どこから出るか」「至適pHはどちらか」をセットにして整理すると、この種の出題に強くなる。

✓ 3. これが答え(膵液には含まれない)
ペプシノーゲン
胃底腺の主細胞から分泌される胃液の成分である。胃酸によりペプシンとなり、酸性下でタンパク質をペプチドに分解する。分泌源が胃であるため、膵液の成分には含まれない。
✗ 1. 答えではない(膵液に含まれる)
アミラーゼ
膵アミラーゼはデンプンをマルトースなどに分解する。唾液にも含まれる(唾液アミラーゼ)が、膵液の主要な糖質分解酵素でもあるため、本問では「含まれない」ものにはあたらない。
✗ 2. 答えではない(膵液に含まれる)
トリプシノーゲン
膵臓から前駆体として分泌され、十二指腸のエンテロキナーゼによりトリプシンとなる。さらに他のタンパク分解酵素前駆体を活性化する、膵液のタンパク消化の起点である。
✗ 4. 答えではない(膵液に含まれる)
リパーゼ
膵リパーゼは中性脂肪をモノグリセリドと脂肪酸に分解する。胆汁酸による乳化とコリパーゼの補助を受けて働く、脂質消化の中心的酵素である。
ポイント
  • 膵液はHCO₃⁻に富む弱アルカリ性で、胃酸を中和して小腸酵素の至適pHをつくる。
  • 膵液の酵素:アミラーゼ(糖質)、トリプシノーゲンなど(タンパク質)、リパーゼ(脂質)、核酸分解酵素。三大栄養素すべてに対応する。
  • ペプシノーゲンは胃の主細胞から。胃酸でペプシンとなり至適pHは約2。
  • タンパク分解酵素は前駆体で分泌され、エンテロキナーゼ→トリプシン→他の酵素、の順に活性化される(自己消化の防止)。
  • 酵素は「分泌部位」「基質」「至適pH」の三点セットで覚える。
比較表
酵素分泌部位基質備考
唾液アミラーゼ唾液腺デンプン中性〜弱アルカリ性で働く
ペプシノーゲン→ペプシン胃底腺 主細胞タンパク質胃酸で活性化、至適pH約2
膵アミラーゼ膵臓デンプン膵液の糖質分解酵素
トリプシノーゲン→トリプシン膵臓タンパク質エンテロキナーゼで活性化
膵リパーゼ膵臓中性脂肪胆汁酸の乳化とコリパーゼが必要
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