学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §8 内分泌器系 / QJ28A072

理由で解く 柔道整復師

QJ28A072 解剖学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問72
問題
下垂体後葉ホルモンはどれか。
選択肢
1 オキシトシン
2 成長ホルモン
3 副腎皮質刺激ホルモン
4 プロラクチン
解答
正解1(オキシトシン)
解説

下垂体後葉から放出されるホルモンは、オキシトシンとバソプレシン(抗利尿ホルモン)の2つだけです。正答は1です。

下垂体後葉(神経下垂体)は間脳が下方へ伸び出した神経組織で、それ自体はホルモンをつくりません。視床下部の室傍核・視索上核にある神経分泌細胞がオキシトシンとバソプレシンを産生し、その軸索が下垂体茎を下って後葉に終わり、神経終末から直接血中へ放出されます。オキシトシンは分娩時に子宮平滑筋を収縮させ、授乳時には乳腺の筋上皮細胞を収縮させて射乳を起こします。一方の前葉(腺性下垂体)は上皮性の腺組織で、成長ホルモン・プロラクチン・副腎皮質刺激ホルモン・甲状腺刺激ホルモン・黄体形成ホルモン・卵胞刺激ホルモンの6つを産生し、視床下部の放出ホルモンが下垂体門脈を通って前葉を調節します。「後葉は神経性で2つだけ、それ以外は前葉」と割り切るのが最短の解き方です。

✓ 1. 正しい
オキシトシン
視床下部の室傍核・視索上核でつくられ、軸索を下って後葉の神経終末から放出されます。子宮収縮と射乳を担う、後葉ホルモンの代表です。
✗ 2. 誤り
成長ホルモン
前葉の成長ホルモン産生細胞がつくります。肝臓でのソマトメジンC産生を介して骨端軟骨の成長を促します。過剰は巨人症・先端巨大症の原因です。
✗ 3. 誤り
副腎皮質刺激ホルモン
前葉ホルモンです。視床下部の副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを受けて分泌され、副腎皮質の束状帯からのコルチゾール分泌を促します。
✗ 4. 誤り
プロラクチン
前葉ホルモンで、乳腺の発育と乳汁産生を促します。オキシトシン(射乳)と働く場面が近いため後葉と取り違えやすいですが、産生・分泌部位は前葉です。
ポイント
  • 後葉ホルモンは2つだけ。オキシトシン(子宮収縮・射乳)とバソプレシン=抗利尿ホルモン(集合管での水再吸収)。
  • 後葉ホルモンの産生場所は視床下部の室傍核・視索上核。後葉は貯蔵・放出の出口にすぎない。
  • 前葉は下垂体門脈を介した液性調節、後葉は軸索を介した神経性調節。この経路の違いが出題の軸になる。
  • 前葉の6つは GH・PRL・ACTH・TSH・LH・FSH。刺激ホルモン系(ACTH・TSH・LH・FSH)と非刺激系(GH・PRL)に分けると整理しやすい。
  • プロラクチンは前葉ホルモンだが、視床下部からドーパミンで常に抑制されている点が例外的。抗ドーパミン薬で乳汁分泌が起きる理由もここ。
比較表
部位組織の性質ホルモン視床下部からの調節
前葉(腺性下垂体)上皮性の腺組織成長ホルモン、プロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン下垂体門脈による液性調節
中間部上皮性メラニン細胞刺激ホルモン液性調節
後葉(神経下垂体)神経組織(軸索終末)オキシトシン、バソプレシン(抗利尿ホルモン)室傍核・視索上核からの軸索輸送
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