学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §35 包帯法 / QJ28A033

理由で解く 柔道整復師

QJ28A033 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問33
問題
ギプス包帯の目的で誤っているのはどれか。
選択肢
1 整復位の保持
2 可動域の制限
3 関節拘縮の予防
4 変形の矯正
解答
正解3(関節拘縮の予防)
解説

ギプス包帯は関節を動かさずに保持する固定手段であり、関節拘縮はむしろ長期固定によって起こる合併症である。したがって拘縮の予防はギプス包帯の目的にはならない。

ギプス包帯の目的は、整復位の保持、患部の安静と疼痛の軽減、可動域を制限して再転位を防ぐこと、変形の矯正(楔状ギプスなどによる矯正)、荷重の免荷などである。一方で長期の固定は関節包・靱帯の短縮、筋の萎縮、循環障害を招き、拘縮の直接の原因となる。拘縮を防ぐには、固定範囲を必要最小限にとどめる、定められた固定期間を守って漫然と延長しない、固定していない関節(手指・足趾・肩など)の自動運動を毎日行う、固定内の筋には等尺性収縮を促す、除去後は早期から可動域訓練を始める、といった対策を組み合わせる。ギプスの目的と、ギプスによって生じうる問題への対策とを、分けて整理しておくとよい。

✓ 3. これが答え(ギプス包帯の目的ではない)
関節拘縮の予防
関節拘縮は長期固定によって生じる合併症であり、ギプス包帯が目指すものではない。予防は固定範囲・期間の管理と非固定関節の自動運動、等尺性収縮、除去後の可動域訓練によって行う。
✗ 1. 答えではない(目的として正しい)
整復位の保持
整復した骨片や関節の位置を保ち、再転位を防ぐことはギプス包帯の中心的な目的である。
✗ 2. 答えではない(目的として正しい)
可動域の制限
患部の運動を制限して安静を保ち、治癒に必要な環境をつくることも目的に含まれる。
✗ 4. 答えではない(目的として正しい)
変形の矯正
楔状ギプスなどを用いて変形を段階的に矯正することも、ギプス包帯の目的の一つである。
ポイント
  • ギプス包帯の目的は、整復位の保持・患部の安静・可動域の制限・変形の矯正・免荷。
  • 関節拘縮、筋萎縮、循環障害、圧迫による神経障害、褥瘡は固定に伴う合併症の側。
  • 拘縮予防は「固定範囲は最小限、期間は守る、動かせる関節は毎日動かす」。
  • 固定されている筋には等尺性収縮を指導して筋萎縮を抑える。
  • しびれ・強い疼痛・チアノーゼ・腫脹の増強があれば、直ちに固定を確認して対応する。
比較表
ギプス包帯の目的ギプス包帯で起こりうる合併症
整復位の保持・再転位の防止関節拘縮
患部の安静・疼痛の軽減筋萎縮・骨萎縮
可動域の制限循環障害(コンパートメント症候群)
変形の矯正圧迫による神経麻痺
荷重の免荷皮膚障害・褥瘡
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