学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §16 肩鎖関節上方脱臼の固定 / QJ28A012

理由で解く 柔道整復師

QJ28A012 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問12
問題
肩鎖関節上方脱臼の固定法で正しいのはどれか。
選択肢
1 リング固定法
2 ギプス固定法
3 クラーメル固定法
4 絆創膏固定法
解答
正解4(絆創膏固定法)
解説

肩鎖関節上方脱臼の保存的固定は、絆創膏による圧迫固定が基本となる。正答は4。

肩鎖関節上方脱臼では鎖骨遠位端が上方に突出し、押すと戻り離すとまた突出するピアノキー症状を示す。整復位を保つには、鎖骨遠位端を上から下へ押さえる力と、下がった上肢を下から突き上げる力の二方向が同時に必要である。ロバート・ジョーンズ固定に代表される絆創膏固定は、肘を上方へ押し上げながら鎖骨遠位端を圧迫する形をとるため、この二方向の力を一度に加えられる。整復位の保持は難しく再転位しやすいので、固定中は絆創膏の緩みと皮膚障害を確認しながら貼り替え、その旨をあらかじめ患者に説明しておく。

✓ 4. 正しい
絆創膏固定法
鎖骨遠位端を下方へ圧迫しつつ肘を上方へ突き上げる形をつくれるため、整復位を保持できる。ロバート・ジョーンズ固定が代表例。
✗ 1. 誤り
リング固定法
両肩に輪を掛けて後方へ引く固定で、鎖骨骨折に用いる。鎖骨遠位端を上から押さえる力が働かない。
✗ 2. 誤り
ギプス固定法
ギプスでは鎖骨遠位端への持続的な下方圧迫と肘の突き上げという二方向の力を同時に加えられず、肩鎖関節上方脱臼の整復位保持には一般に用いられない。
✗ 3. 誤り
クラーメル固定法
金属副子で肢位を保つ方法で、上腕骨骨折などに用いる。下方への圧迫と上方への突き上げを同時に加える用途には向かない。
ポイント
  • 肩鎖関節上方脱臼の所見 — 鎖骨遠位端の階段状突出、ピアノキー症状、肩鎖関節部の圧痛。
  • 整復位保持に必要な力は二方向 — 鎖骨遠位端を下方へ、上肢(肘)を上方へ。この二方向を同時に加えられるかが固定法選択の判別軸になる。
  • 絆創膏固定(ロバート・ジョーンズ固定)が代表的な固定法。リング固定・ギプス固定・クラーメル副子固定はいずれもこの二方向の力を同時に加えられない。
  • 再転位しやすいことをあらかじめ説明し、定期的に固定状態を確認する。
  • 固定中は皮膚のかぶれ・圧迫痛・上肢の循環を確認し、必要に応じて貼り替える。
比較表
固定法主な適応
絆創膏固定(ロバート・ジョーンズ固定)肩鎖関節上方脱臼
リング固定・8字帯固定鎖骨骨折
クラーメル副子固定上腕骨骨折など、肢位の保持が必要な損傷
ハンギングキャスト上腕骨骨幹部骨折
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