学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §17 肩関節烏口下脱臼の診察および整復 / QJ28A013

理由で解く 柔道整復師

QJ28A013 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問13
問題
肩関節烏口下脱臼で正しいのはどれか。
選択肢
1 頭部は健側に傾けている。
2 上腕は軽度内転、内旋している。
3 整復前に鎖骨下動脈の拍動を確認する。
4 上腕外側の感覚障害の有無を確認する。
解答
正解4(上腕外側の感覚障害の有無を確認する。)
解説

烏口下脱臼では腋窩神経が損傷されることがあり、その支配領域である上腕外側の感覚を必ず確認する。正答は4。

肩関節脱臼のうち最も多いのが前方脱臼の烏口下脱臼で、骨頭が烏口突起の下方へ移動する。上腕は軽度外転・内旋位で弾発性固定され、肩の丸みが失われて肩峰が角張り、三角筋部の膨隆が消えて肩峰下に陥凹を触れる。骨頭が関節窩の前下方にあるため、腋窩を通る腋窩神経や腋窩動脈が引き伸ばされたり圧迫されたりしやすい。そこで整復の前後には、腋窩神経の支配する上腕外側の知覚と、末梢の橈骨動脈拍動を確認して記録することが手順として欠かせない。

✓ 4. 正しい
上腕外側の感覚障害の有無を確認する。
腋窩神経は上腕外側(肩外側)の皮膚知覚を担う。この脱臼で損傷されやすいため、整復前後の確認が必須となる。
✗ 1. 誤り
頭部は健側に傾けている。
頭部は患側に傾けて痛みを和らげ、健側の手で患肢を支える姿勢をとる。健側へ傾けると患側の緊張が増して痛みが強まる。
✗ 2. 誤り
上腕は軽度内転、内旋している。
軽度外転・内旋位で弾発性固定されるのが特徴。内転させようとするとばね様の抵抗があり、内転位はとれない。
✗ 3. 誤り
整復前に鎖骨下動脈の拍動を確認する。
確認すべきは脱臼部を通る腋窩動脈と、末梢の橈骨動脈の拍動。鎖骨下動脈は脱臼部より中枢にあり、評価の対象にならない。
ポイント
  • 烏口下脱臼は肩関節脱臼で最も多い型。骨頭は烏口突起の下方へ移動する。
  • 肢位は軽度外転・内旋位の弾発性固定。自動運動は不能。
  • 外観 — 三角筋の膨隆消失、肩峰の角張り、モーレンハイム窩の膨隆、前方に骨頭を触知。
  • 合併症 — 腋窩神経損傷(上腕外側の知覚障害・三角筋麻痺)、腋窩動脈損傷、大結節骨折、関節唇損傷。
  • 整復の前後で必ず知覚と動脈拍動を確認し、所見を記録に残す。
比較表
骨頭の位置特徴
烏口下脱臼烏口突起の下方最も多い。軽度外転・内旋位で弾発性固定
鎖骨下脱臼さらに内方、鎖骨の下方外転位がより強く、変形が目立つ
腋窩(関節窩下)脱臼関節窩の直下上腕が強く外転挙上した肢位をとる
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