学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §17 肩関節烏口下脱臼の診察および整復 / QJ28A014

理由で解く 柔道整復師

QJ28A014 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問14
問題
肩関節烏口下脱臼の外観と類似しているのはどれか。
選択肢
1 上腕骨解剖頸骨折
2 上腕骨外科頸外転型骨折
3 上腕骨大結節単独骨折
4 上腕骨骨幹部骨折
解答
正解2(上腕骨外科頸外転型骨折)
解説

上腕骨外科頸外転型骨折は上腕が外転位をとるため、烏口下脱臼と外観が似て鑑別が問題になる。正答は2。

烏口下脱臼では上腕が軽度外転位に固定され、肩の丸みが失われる。外科頸外転型骨折でも遠位骨片が外転位をとり、肩部の腫脹によって三角筋の輪郭が不明瞭になるため、外観だけでは区別しにくい。鑑別の手がかりは、脱臼では弾発性固定があり関節窩が空虚で骨頭を関節外に触れるのに対し、骨折では他動運動に一定の可動性があり骨頭は関節窩内に残ること、さらに骨折では軋轢音と限局した圧痛を認めることである。両者の合併もありうるため、判断に迷う場合は無理な整復操作を行わず、画像診断のできる医療機関へ紹介する。

✓ 2. 正しい
上腕骨外科頸外転型骨折
遠位骨片が外転位をとるため上腕が外転して見え、烏口下脱臼の外観と紛らわしい。臨床でも鑑別が重視される組合せ。
✗ 1. 誤り
上腕骨解剖頸骨折
関節包内の骨折で外観は腫脹が主体。上腕が外転位に固定されるような特徴的変形は示さない。
✗ 3. 誤り
上腕骨大結節単独骨折
上腕は下垂位をとり、外観上の変形は乏しい。外転・外旋時の疼痛と大結節部の限局性圧痛が中心の所見となる。
✗ 4. 誤り
上腕骨骨幹部骨折
変形・異常可動性・軋轢音は上腕の中央部に現れる。肩の輪郭そのものが変わる脱臼の外観とは異なる。
ポイント
  • 烏口下脱臼と外科頸外転型骨折はどちらも上腕が外転位をとり、外観が似る。
  • 脱臼の所見 — 弾発性固定あり、関節窩が空虚、骨頭を関節外に触知。
  • 骨折の所見 — 他動運動に可動性あり、軋轢音、限局性圧痛、骨頭は関節窩内。
  • 高齢者の肩部外傷ではまず骨折を、若年者では脱臼を想定して診る。
  • 両者の合併もあるため、判断に迷うときは整復を急がず医療機関へ紹介する。
比較表
所見烏口下脱臼外科頸外転型骨折
弾発性固定ありなし(他動的にある程度動く)
関節窩空虚、骨頭を関節外に触知骨頭は関節窩内に残る
軋轢音なしあり
圧痛関節部全体骨折部に限局
好発年齢若年〜壮年に多い高齢者に多い
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