学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §17 肩関節烏口下脱臼の診察および整復 / QJ28A015

理由で解く 柔道整復師

QJ28A015 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問15
問題
肩関節烏口下脱臼の整復で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 クーパー法-挙上法
2 コッヘル法-回転法
3 スティムソン法-槓杆法
4 モーテ法 -吊り下げ法
解答
正解2(コッヘル法-回転法)
解説

コッヘル法は上腕を「てこ」として使う回転法(槓杆法)に分類される。正答は2。

肩関節前方脱臼の整復法は、その原理によって牽引法・挙上法・回転法(槓杆法)に大別される。コッヘル法は上腕を体側につけたまま軽く牽引し、外旋 → 前方挙上(内転) → 内旋の順に回して骨頭を関節窩へ戻す方法で、上腕骨を長いてことして用いるため回転法にあたる。回す操作は骨や神経・血管に負担をかけやすいので、力任せに進めず、患者の脱力を確かめながらゆっくり行うことが安全上の要点である。他の3肢は方法名と分類名の組合せが入れ替わっている。

✓ 2. 正しい
コッヘル法-回転法
外旋 → 内転(前方挙上) → 内旋と上腕を回して整復する槓杆作用の方法であり、回転法の代表として組合せが一致する。
✗ 1. 誤り
クーパー法-挙上法
クーパー法は術者の踵を腋窩に入れて患肢を末梢方向へ引く方法で、牽引法(足位整復法)に分類される。挙上法ではない。
✗ 3. 誤り
スティムソン法-槓杆法
スティムソン法は腹臥位で患肢を台の端から垂らし、重錘の重さで自然に牽引する吊り下げ法である。てこの作用を用いる槓杆法ではない。
✗ 4. 誤り
モーテ法 -吊り下げ法
モーテ法は患肢を挙上させながら整復する挙上法。吊り下げ法にあたるのはスティムソン法であり、組合せが入れ替わっている。
ポイント
  • 牽引法 — ヒポクラテス法、クーパー法(いずれも足位整復法)、スティムソン法(重錘による吊り下げ)。
  • 回転法(槓杆法) — コッヘル法。外旋 → 内転(前方挙上) → 内旋の順に操作する。
  • 挙上法 — モーテ法。患肢を挙上させながら骨頭を関節窩へ戻す。
  • コッヘル法は力任せに回すと骨折や神経損傷を招くため、脱力を確認しながら段階的に行う。
  • いずれの方法でも整復前後に腋窩神経の知覚と橈骨動脈拍動を確認する。
比較表
整復法分類操作の要点
コッヘル法回転法(槓杆法)外旋 → 内転 → 内旋
モーテ法挙上法患肢を挙上して整復
スティムソン法吊り下げ法(牽引)腹臥位で患肢を垂らし重錘で牽引
クーパー法・ヒポクラテス法牽引法(足位整復法)踵を腋窩に当て末梢へ牽引
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