学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §11 コーレス(Colles)骨折の診察および整復 / QJ28A009

理由で解く 柔道整復師

QJ28A009 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問9
問題
コーレス(Colles)骨折に続発するのはどれか。
選択肢
1 尺骨茎状突起骨折
2 舟状骨骨折
3 月状骨脱臼
4 長母指伸筋腱断裂
解答
正解4(長母指伸筋腱断裂)
解説

コーレス骨折の後、時間をおいて生じる代表的な合併症が長母指伸筋腱の皮下断裂である。正答は4。

「続発する」とは、受傷の瞬間に同時に起こるのではなく、経過中に遅れて生じることを意味する。長母指伸筋腱は橈骨背側のリスター結節を滑車のように回って走行するため、骨折部の骨性隆起や瘢痕による摩擦と、腱への血行障害が重なると、受傷から数週〜数か月後に断裂することがある。母指のIP関節が自力で伸ばせなくなるのが特徴的な所見である。したがって固定中・固定解除後の経過観察では、母指の自動伸展を毎回確認し、伸ばせなくなっていれば速やかに医師へ紹介する。

✓ 4. 正しい
長母指伸筋腱断裂
リスター結節部での摩擦と腱の血行障害により、骨折後しばらくしてから遅発性に断裂する。続発症の代表として問われる。
✗ 1. 誤り
尺骨茎状突起骨折
コーレス骨折と同じ外力で受傷の瞬間に生じる合併骨折であり、後から続発するものではない。
✗ 2. 誤り
舟状骨骨折
手をついた同一の外力で同時に起こりうる損傷。時間をおいて続発する関係にはない。
✗ 3. 誤り
月状骨脱臼
これも受傷時の外力によって生じる損傷で、コーレス骨折の経過中に遅れて出現するものではない。
ポイント
  • 続発症=時間をおいて後から生じるもの。受傷時の合併損傷とは区別して問われる。
  • コーレス骨折の続発症は長母指伸筋腱皮下断裂、ズデック骨萎縮、変形治癒、手指の拘縮。
  • 長母指伸筋腱はリスター結節を回るため摩擦断裂しやすく、母指IP関節の伸展不能で気づく。
  • 受傷時に合併しうるのは正中神経損傷、尺骨茎状突起骨折、手根骨骨折など。
  • 経過観察では母指の自動伸展、手指の腫脹・疼痛・皮膚色を毎回確認し、異常があれば医師へ紹介する。
比較表
時期内容
受傷時(合併損傷)同じ外力で同時に生じる尺骨茎状突起骨折、舟状骨骨折、月状骨脱臼、正中神経損傷
経過中(続発症)時間をおいて遅れて生じる長母指伸筋腱皮下断裂、ズデック骨萎縮、変形治癒、手指拘縮
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