学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §11 コーレス(Colles)骨折の診察および整復 / QJ29A011

理由で解く 柔道整復師

QJ29A011 必修問題

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問11
問題
コーレス (Colles)骨折の整復手順で正しいのはどれか。
選択肢
1 整復前に神経血管損傷の有無を確認する。
2 患者は坐位にて肘関節伸展位とする。
3 助手に患肢の上腕骨骨幹部を把持させる。
4 整復後、助手に変形の有無を確認させる。
解答
正解1(整復前に神経血管損傷の有無を確認する。)
解説

整復操作に入る前に神経・血管の状態を確かめるのが手順の第一歩。1が正解。

コーレス骨折では橈骨遠位端が背側・橈側へ転位し、正中神経が手根管内で圧迫されて母指から環指橈側にしびれを生じることがある。牽引や屈曲操作を加えたあとで異常が見つかると、それが受傷そのものによるのか整復操作によるのか判別できなくなる。そのため整復前に、手指の知覚と自動運動、橈骨動脈の拍動、爪床の色調と毛細血管再充満時間を確認し、記録しておく。整復自体は坐位または背臥位で肘関節を約90度屈曲させ、助手が肘関節直上の上腕遠位部を把持して対抗牽引をかけ、術者が末梢牽引ののち背側転位・橈側転位を順に整復する。整復状態や変形の有無を判定するのは術者の役割であり、必要に応じて医師の診察・エックス線検査につなぐ。

✓ 1. 正しい
整復前に神経血管損傷の有無を確認する。
正中神経症状や循環障害を整復前に把握しておくことで、受傷によるものか操作によるものかを区別でき、対応も判断できる。整復後にも同じ項目を再確認する。
✗ 2. 誤り
患者は坐位にて肘関節伸展位とする。
肘伸展位では対抗牽引が効かず、前腕の回旋も制御できない。肘関節を約90度屈曲位として牽引方向を安定させる。
✗ 3. 誤り
助手に患肢の上腕骨骨幹部を把持させる。
骨幹部を握ると軟部組織が滑って対抗牽引が安定しない。肘関節直上の上腕遠位部を把持させるのが基本。
✗ 4. 誤り
整復後、助手に変形の有無を確認させる。
整復の成否を判断するのは術者の責任。術者自身が変形・転位・機能・末梢循環を確認し、必要なら再整復や医師への紹介を判断する。
ポイント
  • 整復の前後で必ず神経(正中神経)と血管(橈骨動脈拍動、爪床の再充満)を確認・記録する。
  • 体位は坐位または背臥位、肘関節約90度屈曲位。伸展位では対抗牽引が働かない。
  • 助手は肘関節直上の上腕遠位部を把持して対抗牽引する。
  • 整復状態の判定は術者が行い、必要に応じて医師の診察・エックス線検査につなぐ。
  • コーレス骨折の転位は背側・橈側・短縮。フォーク状変形と銃剣状変形が外観の特徴。
比較表
手順正しい方法誤りやすい点
整復前神経・血管の確認と記録省略して整復に入る
体位肘関節約90度屈曲位肘伸展位にする
助手の把持上腕遠位部(肘直上)上腕骨骨幹部を握る
整復後の確認術者が行う助手に任せる
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