学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §8 定型的鎖骨骨折の固定 / QJ28A004

理由で解く 柔道整復師

QJ28A004 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問4
問題
定型的鎖骨骨折で誤っているのはどれか。
選択肢
1 セイヤー絆創膏固定
2 ハンギングキャスト固定
3 8字帯固定
4 T字状副子固定
解答
正解2(ハンギングキャスト固定)
解説

ハンギングキャストは上腕骨骨幹部骨折に用いる固定法であり、鎖骨骨折の固定法ではない。設問は「誤っているもの」を問うており、正答は2。

鎖骨骨折の固定は、両肩を後方へ引いて胸を張らせ、短縮転位と上方凸変形を戻した位置を保つことが目的である。この目的にかなうのが8字帯固定、リング固定、セイヤー絆創膏固定、T字状副子固定などで、いずれも両肩を後方へ引く力を働かせる構造を持つ。一方ハンギングキャストは、上腕から前腕にかけて巻いたギプスの重みで上腕を持続的に牽引する方法で、重力が骨軸方向に働く上腕骨骨幹部骨折に適する。固定中は腋窩の圧迫による神経・血管障害を避け、手指の色調・温度・感覚を毎回確認する。

✓ 2. これが答え(誤っている)
ハンギングキャスト固定
ギプスの重みで上腕を持続牽引する上腕骨骨幹部骨折の固定法。鎖骨には骨軸方向の牽引力が働かないため適応にならない。
✗ 1. 正しい(答えではない)
セイヤー絆創膏固定
①上腕を体幹に固定し、②肘を挙上して短縮転位を防ぎ、③前腕を吊って患肢を支える、の3帯からなる鎖骨骨折の代表的な絆創膏固定法。
✗ 3. 正しい(答えではない)
8字帯固定
両肩に8の字状に包帯を回して両肩を後方へ引き、短縮転位の再発を防ぐ。鎖骨骨折固定の基本形。
✗ 4. 正しい(答えではない)
T字状副子固定
背部にT字形の副子を当てて両肩を後方に保持する。8字帯と同じく胸を張った肢位を保つ目的で用いる。
ポイント
  • 鎖骨骨折固定の目的は、両肩を後方に引いて短縮・上方凸変形の再転位を防ぐこと。
  • 代表的な方法は8字帯固定、リング固定、セイヤー絆創膏固定、T字状副子固定、デゾー包帯。
  • セイヤー絆創膏固定は3帯で構成する — 第1帯は患側上腕を体幹に固定し、腋窩枕子とともに遠位骨片の内方転位を防ぐ。
  • 第2帯は患側の肘を挙上して遠位骨片を外上方へ押し上げ、短縮転位を防ぐ。第3帯は患側手を健側鎖骨部に置いて前腕を懸垂する。
  • ハンギングキャストは上腕骨骨幹部骨折の固定法。ギプス自体の重みで持続牽引する。
  • 固定中は腋窩部の圧迫に注意し、手指の色調・温度・感覚・腫脹を毎回確認する。
  • 包帯は日数の経過で緩むため、定期的に確認し緩んでいれば巻き直す。
比較表
固定法主な適応働かせる力
8字帯・リング・T字状副子鎖骨骨折両肩を後方へ引き、胸を張らせる
セイヤー絆創膏固定鎖骨骨折第1帯=上腕を体幹に固定/第2帯=肘を挙上して短縮転位を防ぐ/第3帯=前腕を懸垂する
ハンギングキャスト上腕骨骨幹部骨折ギプスの重みによる骨軸方向の持続牽引
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