学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §7 定型的鎖骨骨折の診察および整復 / QJ28A003

理由で解く 柔道整復師

QJ28A003 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問3
問題
定型的鎖骨骨折でみられないのはどれか。
選択肢
1 屈曲転位
2 延長転位
3 側方転位
4 短縮転位
解答
正解2(延長転位)
解説

定型的鎖骨骨折では短縮・屈曲・側方の転位が生じるが、骨片が離れて全長が伸びる延長転位は起こらない。設問は「みられないもの」を問うており、正答は2。

定型的鎖骨骨折は中1/3と外1/3の境界部に起こる。近位骨片は胸鎖乳突筋に引かれて後上方へ転位し、遠位骨片は上肢の重みで下垂したうえ、大胸筋・小胸筋・広背筋によって前内方へ引き寄せられる。この結果、骨折部は上方凸の屈曲変形をとり、骨片同士が重なって鎖骨の全長は短くなる。遠位骨片を内方へ引く筋が働く以上、骨片が引き離される力は生じないため、延長転位は理論的にも起こらない。

✓ 2. これが答え(みられない)
延長転位
遠位骨片を内方へ引く大胸筋・広背筋などが働くため、骨片は重なる方向へ動く。骨片が離れて全長が伸びる延長転位は生じない。
✗ 1. みられる(答えではない)
屈曲転位
近位骨片が後上方へ、遠位骨片が下垂するため、骨折部は上方凸に折れ曲がる。定型的な変形の一つ。
✗ 3. みられる(答えではない)
側方転位
遠位骨片が前内方へずれることで、骨片は横方向にも食い違いを生じる。
✗ 4. みられる(答えではない)
短縮転位
骨片が重なり合って上肢が内下方へ落ち込むため、鎖骨の全長が短くなる。定型例で必発の転位。
ポイント
  • 定型的鎖骨骨折の好発部位は中1/3と外1/3の境界部。介達外力(肩の外側からの転倒)で生じる。
  • 近位骨片は胸鎖乳突筋により後上方へ転位する。
  • 遠位骨片は上肢の重みで下垂し、大胸筋・小胸筋・広背筋により前内方へ引かれる。
  • 生じる転位は短縮・屈曲(上方凸)・側方の3つ。延長転位は生じない。
  • 患者は頭部を患側に傾け、健側の手で患肢を支える特徴的な姿勢をとる。
比較表
骨片主に働く筋転位方向
近位骨片胸鎖乳突筋後上方
遠位骨片上肢の重み/大胸筋・小胸筋・広背筋下垂+前内方
骨折部全体上方凸の屈曲・短縮・側方転位
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。