学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §7 定型的鎖骨骨折の診察および整復 / QJ27A025

理由で解く 柔道整復師

QJ27A025 必修問題

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問25
問題
鎖骨骨折の症状で正しいのはどれか。
選択肢
1 ピアノキーサインがみられる。
2 患側の肩が挙上する。
3 軋轢音を感知する。
4 肩幅が増大する。
解答
正解3(軋轢音を感知する。)
解説

軋轢音は骨折の固有症状であり、鎖骨骨折でも触知されます。肩は挙上ではなく下垂し、肩幅は減少します。

鎖骨骨折は中外1/3境界部に好発します。近位骨片は胸鎖乳突筋に引かれて後上方へ、遠位骨片は上肢の重みと大胸筋などに引かれて前下内方へ転位するため、患側の肩は下がり、前内方へ落ち込み、結果として肩幅は減少します。患者は頭を患側に傾けて胸鎖乳突筋の緊張をゆるめ、健側の手で患側の肘を支える特有の姿勢をとります。軋轢音・異常可動性は骨折を示す固有症状ですが、確認しようとして強く動かすと転位の増悪や血管・神経損傷を招くため、触診で自然に感じ取れる範囲にとどめ、無理な操作は行わないのが原則です。

✓ 3. 正しい
軋轢音を感知する。
骨折端が擦れ合うことで生じる軋轢音は、異常可動性・転位とならぶ骨折の固有症状です。鎖骨は皮下に浅く位置するため触知しやすいものの、確認目的で強く動かさず、通常の触診で得られる情報にとどめます。
✗ 1. 誤り
ピアノキーサインがみられる。
ピアノキーサインは肩鎖関節上方脱臼の所見です。突出した鎖骨遠位端を押すと沈み、離すと戻る現象で、圧痛部位も肩鎖関節裂隙にあります。鎖骨骨折とは圧痛部位が異なる点で鑑別します。
✗ 2. 誤り
患側の肩が挙上する。
遠位骨片が上肢の重みで引き下げられるため、患側の肩は下垂します。挙上して見えるのは近位骨片であり、肩そのものは下がります。
✗ 4. 誤り
肩幅が増大する。
短縮転位と遠位骨片の前内方転位により、肩幅は減少します。鎖骨は肩甲帯を体幹から離して支える突っ張り棒の役目をしており、これが折れると肩は内側へ落ち込みます。
ポイント
  • 好発部位は中外1/3境界部。近位骨片は胸鎖乳突筋で後上方、遠位骨片は上肢の重みで前下内方へ。
  • 患側の肩は下垂し、肩幅は減少する。
  • 頭を患側に傾け、健手で患側肘を支える特有の姿勢をとる。
  • 軋轢音・異常可動性は骨折の固有症状。ただし確認目的で強く操作しない。
  • ピアノキーサインは肩鎖関節上方脱臼の所見。圧痛部位で鑑別する。
比較表
所見鎖骨骨折肩鎖関節上方脱臼
好発・変形部位鎖骨中外1/3境界部肩鎖関節部(鎖骨遠位端)
特徴的所見軋轢音・異常可動性、肩の下垂、肩幅減少階段状変形、ピアノキーサイン
圧痛の中心骨折部肩鎖関節裂隙
姿勢頭を患側に傾け健手で患肘を支える上肢下垂で疼痛増強
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