学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §7 定型的鎖骨骨折の診察および整復 / QJ24A024

理由で解く 柔道整復師

QJ24A024 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問24
問題
定型的鎖骨骨折の症状で正しいのはどれか。
選択肢
1 顔面が患側を向く。
2 肩幅が増加する。
3 患側の肩甲骨が挙上する。
4 肩外転制限がみられる。
解答
正解4(肩外転制限がみられる。)
解説

定型的鎖骨骨折では、近位骨片が胸鎖乳突筋に引かれて後上方へ、遠位骨片が上肢の重みと大胸筋・小胸筋に引かれて前下内方へ転位します。症状はすべてこの転位から導けます。

定型的鎖骨骨折とは中1/3部(中・外1/3境界部)の骨折で、多くは手や肩をついた際の介達外力で起こります。骨片が重なる短縮転位のために肩幅は減少し、上肢の重みで患側の肩は下垂します。頭部は胸鎖乳突筋の緊張をゆるめるために患側へ傾き、その結果として顔面は健側を向きます。患者は健側の手で患側の肘や前腕を支え、上肢を動かさないようにします。鎖骨は肩甲上腕リズムのなかで肩甲骨の回旋を支える支柱なので、骨折すると外転(挙上)がとくに強く制限されます。鎖骨下には腕神経叢・鎖骨下動静脈と胸膜があるため、上肢の知覚・運動、橈骨動脈拍動、呼吸状態の確認を忘れずに行います。

✓ 4. 正しい
肩外転制限がみられる。
鎖骨は肩甲骨と体幹をつなぐ唯一の骨性支柱で、挙上時には後方回旋して肩甲骨の動きを助けます。連続性が絶たれると支点が失われ、疼痛も加わって外転・挙上が著しく制限されます。
✗ 1. 誤り
顔面が患側を向く。
胸鎖乳突筋は近位骨片を後上方へ引くため、その緊張をゆるめる姿勢、すなわち頭部を患側へ傾ける姿勢をとります。頭を傾けた側と顔の向く側は反対になるので、顔面は健側を向きます。
✗ 2. 誤り
肩幅が増加する。
骨片が重なる短縮転位により肩幅は減少します。左右の肩峰間の距離や、胸骨柄から肩峰までの距離を健側と比べると確認できます。
✗ 3. 誤り
患側の肩甲骨が挙上する。
上肢の重みと大胸筋・小胸筋の牽引によって遠位骨片ごと肩は下垂し、肩甲骨は下方かつ前方へ偏位します。固定では肩を後上方へ引き上げる肢位を保つことが要点になります。
ポイント
  • 好発は中1/3(中・外1/3境界部)、多くは介達外力による。
  • 近位骨片=胸鎖乳突筋で後上方、遠位骨片=上肢の重み+大胸筋・小胸筋で前下内方。
  • 肩は下垂し肩幅は減少、頭部は患側に傾き顔は健側を向く。
  • 外転・挙上の制限が著明で、健側の手で患側の肘を支える姿勢をとる。
  • 鎖骨下の腕神経叢・鎖骨下動静脈・胸膜の損傷を必ず確認し、疑えば医師へつなぐ。
比較表
骨片引く要素転位方向現れる所見
近位骨片胸鎖乳突筋後上方頭部を患側へ傾ける(顔は健側へ)
遠位骨片上肢の重み、大胸筋・小胸筋前下内方肩の下垂、肩甲骨の下方・前方偏位
両骨片重なり(短縮転位)短縮肩幅の減少、外転・挙上制限
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