学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §7 定型的鎖骨骨折の診察および整復 / QJ29A006

理由で解く 柔道整復師

QJ29A006 必修問題

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問6
問題
鎖骨骨折の坐位整復法で誤っているのはどれか。
選択肢
1 患者は上肢を下垂位とする。
2 第1助手は後方に位置する。
3 第2助手は患側に位置する。
4 術者は前方に位置する。
解答
正解1(患者は上肢を下垂位とする。)
解説

坐位整復では患肢を下垂させたままにせず、肘を屈曲して保持し肩を後上外方へ引き上げる。1が設問の答え(誤っている選択肢)。

鎖骨骨折(好発は中外1/3境界部)では、近位骨片が胸鎖乳突筋に引かれて後上方へ、遠位骨片が上肢の重みと大胸筋・小胸筋の牽引で前下方・内方へ移動し、短縮転位を生じる。整復の本質は「両肩を後方へ引いて胸を張らせ、下がった遠位骨片を持ち上げて短縮を除く」ことにある。そのため坐位整復法では、第1助手が患者の後方から両肩を後外方へ引き(必要に応じて膝を脊柱に当てて支点とし)、第2助手が患側で患肢を保持して外転・後上方へ導き、術者は前方から骨折端に直接触れて整復する。上肢を下垂させたままでは遠位骨片が下がり続け、整復位は得られない。

✓ 1. これが誤り(正解)
患者は上肢を下垂位とする。
下垂位のままでは上肢の重みで遠位骨片が前下方に引かれ、短縮転位が残る。肘を約90度屈曲させて助手に保持させ、肩を挙上・後方へ導くのが正しい。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
第1助手は後方に位置する。
背後から両肩を後外方へ引き、胸を張らせて鎖骨の走行を整える役割。整復の土台となる。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
第2助手は患側に位置する。
患肢を保持し、牽引と挙上を担当する。遠位骨片を持ち上げて短縮を除く要となる位置。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
術者は前方に位置する。
骨折部の前面から骨折端を直接触知して整復し、整復の成否をその場で確認できる位置になる。
ポイント
  • 鎖骨骨折の転位:近位骨片は胸鎖乳突筋で後上方、遠位骨片は上肢の重みと大胸筋・小胸筋で前下方・内方+短縮。
  • 整復の原則は「両肩を後外方へ引く」+「下がった遠位骨片を持ち上げて短縮を除く」。
  • 坐位整復の配置:第1助手=後方、第2助手=患側(患肢保持)、術者=前方。
  • 患肢は下垂させず、肘約90度屈曲位で保持し外転・後上方へ導く。
  • 整復後は固定でこの肢位を保てるかが成否を分ける。
比較表
役割位置行うこと
第1助手患者の後方両肩を後外方へ引き胸を張らせる
第2助手患側患肢を保持し外転・後上方へ牽引
術者前方骨折端に直接触れて整復・確認
患者の患肢下垂させず肘屈曲位で保持
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