学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ27P102
理由で解く 柔道整復師
手関節軽度背屈位・過度回内位で手を衝いた機序と、手関節近位2cm付近の限局性圧痛・著明な腫脹・同部の幅(横径)の増大から、橈骨遠位端の屈曲型骨折(スミス骨折)と判断する。整復後の固定肢位は前腕回外位・手関節軽度背屈位・軽度尺屈位である。
固定肢位を決める原則はただ一つ、「遠位骨片が転位した方向へ戻らない肢位に置く」ことである。屈曲型では遠位骨片が掌側へ転位するため、手関節を掌屈させると転位を助長してしまう。そこで手関節は軽度背屈位に保つ。前腕の肢位は、遠位骨片の回旋転位を戻す向きで決める。屈曲型では遠位骨片が回内方向へ回旋転位するので、前腕を回外位に置いてこれを戻す。伸展型(コーレス骨折)では逆に遠位骨片が回外方向へ回旋転位するため、前腕回内位で固定する。ここを「受傷時に強制された方向と反対の肢位にする」と覚えると誤る。伸展型も前腕回内位で手を衝くのが典型でありながら固定は回内位であり、判断の根拠は受傷肢位ではなく遠位骨片の回旋転位の向きだからである。軽度尺屈位は、橈骨の短縮と遠位骨片の橈側転位を防ぐためのもので、伸展型・屈曲型に共通する。高齢者では固定期間中に手指・肘・肩を積極的に動かすよう指導し、関節拘縮やCRPS(複合性局所疼痛症候群)、肩手症候群の発生を防ぐ。腫脹が強い時期は循環と感覚を確認し、締めつけが強ければ巻き直す。
| 項目 | 伸展型(コーレス骨折) | 屈曲型(スミス骨折) |
|---|---|---|
| 受傷機序 | 手関節背屈位で手をつく(前腕回内位のことが多い) | 手関節軽度背屈位・過度回内位で手をつく、または手背を衝く |
| 遠位骨片の転位 | 背側・橈側・短縮 | 掌側・橈側・短縮 |
| 遠位骨片の回旋転位 | 回外転位 | 回内転位 |
| 外観 | フォーク状変形 | 掌側凸の変形(鋤状変形) |
| 前腕の固定肢位(=回旋転位を戻す向き) | 回内位 | 回外位 |
| 手関節の固定肢位 | 軽度掌屈位・軽度尺屈位 | 軽度背屈位・軽度尺屈位 |
※前腕の固定肢位は受傷肢位から決まるのではない。伸展型では受傷機序も固定肢位も回内位で一致してしまうため、「受傷方向の反対に固定する」と覚えると破綻する。根拠は遠位骨片の回旋転位を戻すことにある。
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