学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ27P100

理由で解く 柔道整復師

QJ27P100 柔道整復理論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問100
問題
足根管症候群で正しいのはどれか。
選択肢
1 足根管は内果後壁と伸筋支帯で形成される。
2 腓骨神経枝の絞扼性神経障害である。
3 足背部の感覚異常が主症状である。
4 過度回内足は足根管内腔を狭める。
解答
正解4(過度回内足は足根管内腔を狭める。)
解説

足部が過度に回内すると屈筋支帯が引き伸ばされて緊張し、足根管の内腔が狭くなって脛骨神経が圧迫されます。正しいのは4です。

足根管は内果の後下方にあるトンネルで、床と壁を距骨・踵骨の内側面が、屋根を屈筋支帯(分裂靱帯)が作っています。中を後脛骨筋腱、長趾屈筋腱、後脛骨動静脈、脛骨神経、長母趾屈筋腱が前方から後方へ順に通り、脛骨神経は管内またはその出口で内側足底神経・外側足底神経・内側踵骨枝に分かれます。踵が外反して足部が過度に回内する(オーバープロネーション)と、内側の軟部組織が引き伸ばされて屈筋支帯が張り、管の断面が狭まって脛骨神経が圧迫されます。症状は足底のしびれや灼熱痛で、立位や歩行が続くと強まり、夜間痛を訴えることもあります。内果後下方を叩いて足底へ放散するチネル徴候が参考になります。扁平足・回内足が背景にあるなら、内側縦アーチを支える足底挿板や後脛骨筋の強化が対処につながります。

✓ 4. 正しい
過度回内足は足根管内腔を狭める。
踵の外反と足部の過回内により屈筋支帯が緊張し、トンネルの断面が狭くなって脛骨神経が圧迫されます。アーチ支持が対処の柱になる理由もここにあります。
✗ 1. 誤り
足根管は内果後壁と伸筋支帯で形成される。
屋根を作るのは屈筋支帯(分裂靱帯)です。伸筋支帯は足背側にあり、その下で深腓骨神経が絞扼されるのが前足根管症候群です。
✗ 2. 誤り
腓骨神経枝の絞扼性神経障害である。
絞扼されるのは脛骨神経とその分枝(内側足底神経・外側足底神経)です。腓骨神経は下腿外側から足背側を走る系統で、足根管は通りません。
✗ 3. 誤り
足背部の感覚異常が主症状である。
主症状は足底のしびれ・灼熱痛です。足背のしびれは浅腓骨神経の障害や前足根管症候群を考えます。
ポイント
  • 足根管=内果後下方。屋根は屈筋支帯(分裂靱帯)、床と壁は距骨・踵骨の内側面。
  • 通る内容=後脛骨筋腱、長趾屈筋腱、後脛骨動静脈、脛骨神経、長母趾屈筋腱(前方から後方へ順に)。
  • 絞扼されるのは脛骨神経。症状は足底のしびれ・灼熱痛で、立位・歩行で増悪する。
  • 過度回内足・扁平足は屈筋支帯を緊張させ管を狭める。アーチ支持と後脛骨筋強化が対処につながる。
  • 内果後下方の叩打で足底へ放散するチネル徴候を確認。腫瘤やガングリオンを疑えば医師へつなぐ。
比較表
足根管症候群前足根管症候群
部位内果後下方足背(足関節前面)
屋根を作る構造屈筋支帯(分裂靱帯)下伸筋支帯
絞扼される神経脛骨神経(内側・外側足底神経)深腓骨神経
感覚障害の部位足底第1・2趾間の背側
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