学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ27P098

理由で解く 柔道整復師

QJ27P098 柔道整復理論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問98
問題
腹臥位で被検者の膝関節を 90度屈曲位とし、検者が下腿と踵部を把握、脛骨長軸近位方向へ圧迫を加えながら下腿を内旋したところ、関節部に疼痛が誘発された。この徒手検査で判明する損傷部位はどれか。
選択肢
1 十字靱帯
2 側副靱帯
3 関節半月
4 関節滑膜ひだ
解答
正解3(関節半月)
解説

腹臥位・膝90度屈曲位で脛骨長軸方向に圧迫を加えながら回旋させるのはアプレー圧迫テストで、判明するのは関節半月の損傷です。正しいのは3です。

この肢位で踵から脛骨長軸に沿って押し込むと、大腿骨顆部と脛骨関節面の間に半月板がしっかり挟み込まれます。その状態で下腿を回旋させれば、挟まれた半月板がねじられ、断裂部で疼痛やクリックが誘発されます。一般に下腿を内旋させると外側半月に、外旋させると内側半月にストレスがかかると整理されます。同じ肢位で今度は下腿を引き上げながら(牽引しながら)回旋させると、半月板への圧迫は解除され、代わりに側副靱帯や関節包が張るので、そこで痛むなら靱帯・関節包の損傷を疑います。つまり「圧迫で痛み、牽引では痛まない」という組合せが半月板損傷を支持する、というのがこの検査の設計です。

✓ 3. 正しい
関節半月
軸圧で半月板を関節面の間に挟み込み、回旋でねじりを加えるアプレー圧迫テストです。断裂部で疼痛やクリックが誘発されれば半月板損傷を疑います。
✗ 1. 誤り
十字靱帯
十字靱帯は脛骨の前後の動揺性でみます。前方・後方引き出しテスト、ラックマンテスト、Nテスト(ピボットシフト)、サギングサインなどが用いられ、いずれも背臥位で行います。
✗ 2. 誤り
側副靱帯
側副靱帯は膝伸展位と軽度屈曲位での側方動揺性テストで評価します。腹臥位で行うならアプレー「牽引」テストのほうが該当し、圧迫ではありません。
✗ 4. 誤り
関節滑膜ひだ
膝蓋内側の滑膜ひだ障害(タナ障害)では、膝蓋骨内側縁に索状の圧痛を触れ、膝の屈伸に伴うクリックが特徴です。軸圧+回旋で誘発する検査ではありません。
ポイント
  • 腹臥位・膝90度屈曲+軸圧+回旋=アプレー圧迫テスト=半月板の評価。
  • 同じ肢位で牽引+回旋=アプレー牽引テスト=側副靱帯・関節包の評価。圧迫と牽引で対をなす。
  • 内旋は外側半月、外旋は内側半月にストレスがかかると整理して覚える。
  • 半月板損傷の他の検査はマックマレーテスト、ワトソン・ジョーンズテスト。ロッキングや引っかかり感も手がかり。
  • 十字靱帯は前後の動揺性、側副靱帯は側方の動揺性、と評価する運動方向で区別する。
比較表
検査肢位・操作評価する組織
アプレー圧迫テスト腹臥位・膝90度屈曲、軸圧を加えて回旋関節半月
アプレー牽引テスト腹臥位・膝90度屈曲、牽引しながら回旋側副靱帯・関節包
マックマレーテスト背臥位、膝屈曲位から回旋を加えつつ伸展関節半月
前方・後方引き出し、ラックマン背臥位、脛骨を前後に動かす十字靱帯
側方動揺性テスト伸展位・軽度屈曲位で内外反ストレス側副靱帯
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