学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §20 各論(脱臼) 下肢 / QJ27P088

理由で解く 柔道整復師

QJ27P088 柔道整復理論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問88
問題
股関節脱臼を腹臥位で整復するのはどれか。
選択肢
1 牽引法
2 デパルマ法
3 コッヘル法
4 スティムソン法
解答
正解4(スティムソン法)
解説

腹臥位で行う股関節脱臼の整復法はスティムソン法です。患肢の重みそのものを牽引力に使うところに特徴があります。

股関節脱臼は後方脱臼が大多数で、整復の原則は「屈曲した股関節を大腿骨長軸方向へ引き出し、寛骨臼へ導く」ことです。スティムソン法では患者を腹臥位にし、患側下肢を施術台の端から垂らして股関節・膝関節をおよそ90度屈曲位にします。下腿の自重が持続的な牽引となり、そこへ術者が下腿近位を下方へ押し下げ、必要に応じて軽い回旋を加えると骨頭が臼へ戻ります。腹臥位では体重で骨盤が台に押さえつけられるため、対抗牽引を助手なしにつくれるのが利点です。ほかの整復法はいずれも背臥位で行い、助手が骨盤(上前腸骨棘)を押さえて対抗牽引をとります。なお股関節脱臼は坐骨神経麻痺や骨頭壊死、寛骨臼骨折の合併を伴いうるため、整復の可否にかかわらず速やかに医師の評価につなぎます。

✓ 4. 正しい
スティムソン法
腹臥位で患肢を台の端から垂らし、股関節・膝関節90度屈曲位で下腿の自重と徒手の押し下げを牽引力とする方法です。体重で骨盤が固定されるため対抗牽引が自然に得られます。
✗ 1. 誤り
牽引法
背臥位で行います。助手が骨盤を押さえ、股関節・膝関節を約90度屈曲した患肢を大腿骨長軸方向へまっすぐ引き上げる方法です。
✗ 2. 誤り
デパルマ法
背臥位で行います。屈曲位の患肢を牽引しながら、術者が身体を使って外側方向への力を加えて骨頭を臼へ導きます。
✗ 3. 誤り
コッヘル法
背臥位で行う回転法です。股関節を屈曲・内転・内旋させたのち外転・外旋へ回して整復します。肩関節脱臼のコッヘル法と名称が同じですが、まったく別の手技である点に注意します。
ポイント
  • 腹臥位で行うのはスティムソン法。ほかは背臥位+助手による骨盤固定が基本。
  • スティムソン法は下腿の自重を牽引に、体重による骨盤圧着を対抗牽引に使う「重力法」。
  • 股関節脱臼は後方脱臼が大多数で、患肢は屈曲・内転・内旋位をとる。
  • 合併症は坐骨神経麻痺、大腿骨頭壊死、寛骨臼骨折。整復前後に足趾の背屈と感覚を確認する。
  • 大きな外力による外傷なので、他部位の損傷検索も含めて医師の診察へつなぐ。
比較表
整復法体位要点
スティムソン法腹臥位患肢を台端から垂らし股・膝90度屈曲。自重を牽引に使う
牽引法(引き下げ法)背臥位股・膝90度屈曲位で大腿長軸方向へ牽引
デパルマ法背臥位牽引に外側方向への力を加える
コッヘル法(回転法)背臥位屈曲・内転・内旋→外転・外旋と回して戻す
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