学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §20 各論(脱臼) 下肢 / QJ26P093

理由で解く 柔道整復師

QJ26P093 柔道整復理論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問93
問題
距腿関節脱臼で正しいのはどれか。
選択肢
1 前方脱臼では前足部が短縮してみえる。
2 後方脱臼では足が伸展位に固定される。
3 内方脱臼では足が回内している。
4 外方脱臼では足背が内方に向く。
解答
正解4(外方脱臼では足背が内方に向く。)
解説

距腿関節の外方脱臼では足部が外方へずれて外反(回内)するため、足底が外方を向き、結果として足背は内方を向く。

距腿関節は距骨滑車が脛骨・腓骨のつくるほぞ穴にはまり込む構造で本来きわめて安定しており、脱臼するには靱帯断裂や果部骨折を伴う強い外力が必要になる。分類は距骨(足部)がどちらへ転位したかでみる。前方脱臼では距骨が前方へ出るため足が長くみえ、足関節は伸展(背屈)位に固定される。後方脱臼では逆に前足部が短くみえ、屈曲(底屈)位に固定される。内方脱臼では足部が回外(内反)し足底が内方を向き、外方脱臼では回内(外反)して足底が外方、足背が内方を向く。「距骨が向かった方向と、足底が向く方向は同じ側」と結びつけると迷わない。高度の腫脹や皮膚の緊張、循環障害を伴うことが多いため、足背動脈の拍動と足趾の色調・知覚を確認し、固定のうえ速やかに医療機関へつなぐ。

✗ 1. 誤り
前方脱臼では前足部が短縮してみえる。
前方脱臼では距骨が前へ出るため、足はむしろ長くみえる。前足部が短くみえるのは後方脱臼の所見であり、記述が入れ替わっている。
✗ 2. 誤り
後方脱臼では足が伸展位に固定される。
後方脱臼で固定されるのは屈曲(底屈)位。伸展(背屈)位に固定されるのは前方脱臼である。柔道整復では足関節の伸展=背屈である点にも注意。
✗ 3. 誤り
内方脱臼では足が回内している。
内方脱臼では足部は回外(内反)位をとり、足底が内方を向く。回内しているのは外方脱臼のほうである。
✓ 4. 正しい
外方脱臼では足背が内方に向く。
足部が外方へ転位して外反(回内)するため足底は外方を向き、その裏返しとして足背は内方を向く。外方脱臼の変形を正確に述べている。
ポイント
  • 距腿関節は本来きわめて安定。脱臼=靱帯断裂や果部骨折を伴う高エネルギー損傷と考える。
  • 前方脱臼=足が長くみえ、伸展(背屈)位固定。後方脱臼=前足部が短くみえ、屈曲(底屈)位固定。
  • 内方脱臼=回外(内反)位で足底が内方。外方脱臼=回内(外反)位で足底が外方=足背は内方。
  • 「距骨が向かった方向と足底が向く方向は同じ側」と覚えると内外の判別が速い。
  • 皮膚の緊張・血行障害・開放性の危険が高いので、足背動脈と足趾の知覚を確認し早期に医療機関へ。
比較表
脱臼の方向足の見え方固定される肢位・変形
前方脱臼足が長くみえる伸展(背屈)位
後方脱臼前足部が短くみえる屈曲(底屈)位
内方脱臼足部が内方へ偏位回外(内反)位・足底が内方
外方脱臼足部が外方へ偏位回内(外反)位・足底が外方=足背は内方
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