学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §20 各論(脱臼) 下肢 / QJ26P092
理由で解く 柔道整復師
股関節後方脱臼で正しいのは、整復障害因子として関節包裂孔部の狭小があること(ボタン穴機構)と、下肢の重さと重力を利用する整復法がスティムソン法であることの2つ。
後方脱臼は股関節を屈曲・内転・内旋した肢位で大腿長軸方向に外力を受けて起こる。自動車事故で膝をダッシュボードに打ちつける、いわゆるダッシュボード損傷が典型である。骨頭は寛骨臼の後上方へ抜け、患肢は屈曲・内転・内旋位をとり、骨頭の隆起は殿部の皮下で触れる。関節包の裂け目が狭いと骨頭がそこに引っかかって戻らなくなり、これが代表的な整復障害因子(ボタン穴機構)となる。スティムソン法は腹臥位で患肢を診療台の端から下垂させ、下肢の重さと重力で持続牽引をかけながら下腿を下方へ押す方法で、筋の防御収縮を招きにくいのが利点である。坐骨神経は骨頭のすぐ後方を走るため、下腿外側から足背の知覚と足関節背屈力を必ず確認し、麻痺があれば速やかに医療機関へつなぐ。
| 項目 | 後方脱臼 | 前方脱臼 |
|---|---|---|
| 受傷肢位 | 屈曲・内転・内旋 | 伸展・外転・外旋 |
| 患肢の肢位 | 屈曲・内転・内旋位 | 外転・外旋位 |
| 骨頭の触知部位 | 殿部 | 鼠径部 |
| 注意すべき合併症 | 坐骨神経損傷・骨頭壊死 | 大腿動静脈・大腿神経の圧迫 |
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