学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ26P091
理由で解く 柔道整復師
肘関節後方脱臼では前腕骨が後上方へ転位するため、尺骨鈎状突起は上腕骨滑車の後方(後壁)に接する位置に移動する。
転倒して手をつき、肘が過伸展されると肘頭が肘頭窩に突き当たって支点となり、前腕全体が後方へ押し出される。このとき関節包は前壁が破れ、上腕骨遠位端は相対的に前方へ突出して肘窩で触れるようになる。関節面の位置関係でみると、橈骨頭は上腕骨小頭の後面へ、尺骨鈎状突起は滑車の後方へ移動する。肘頭が高位となるため、上腕骨内側上顆・外側上顆・肘頭でつくるヒューター三角とヒューター線が乱れるのが特徴で、この三角関係が保たれる上腕骨顆上骨折(伸展型)との重要な鑑別点になる。上腕動脈・正中神経・尺骨神経が前方で牽引・圧迫を受けうるので、整復前後に必ず末梢の脈拍・知覚・運動を確認し、整復後は肘関節90度屈曲・前腕中間位で固定して早期からの手指運動を促す。
| 項目 | 肘関節後方脱臼 | 上腕骨顆上骨折(伸展型) |
|---|---|---|
| ヒューター三角 | 乱れる | 保たれる |
| 肘頭の高さ | 高位となる | 正常 |
| 固定性 | 弾発性固定 | 異常可動性・軋轢音 |
| 関節包 | 前壁が断裂 | 骨折部の血腫が主 |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。