学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ27P085
理由で解く 柔道整復師
反復性肩関節脱臼のほとんどは前方脱臼の反復であり、前方の静的支持機構(関節唇・関節包)とともに、前面を覆って動的に支える肩甲下筋の働きが損なわれる。
初回の前方脱臼で関節窩前下縁の関節唇・関節包が剥離し(バンカート損傷)、上腕骨頭の後外側に骨欠損ができる(ヒルサックス損傷)と、前方の受け皿が浅いまま治癒する。その結果、外転・外旋という日常動作でも骨頭が前方へ逃げてしまい、脱臼を繰り返すようになる。若年(10〜20歳代)で初回脱臼を起こした例ほど反復性へ移行しやすい。肩甲下筋は肩関節の前面を覆い、骨頭が前方へ逸脱するのを動的に押さえている筋で、脱臼のたびに引き伸ばされて機能が低下する。診察では外転・外旋を強制したときに強い不安感を訴える(アプリヘンションサイン陽性)ことが手がかりになる。日常では外転外旋の強制を避けるよう指導し、肩甲下筋を含む腱板と肩甲骨周囲筋の筋力強化、および挙上動作の再教育を行う。
| 反復性肩関節脱臼 | 動揺性肩関節(ルーズショルダー) | |
|---|---|---|
| 不安定性の方向 | 前方(外転外旋で不安定) | 下方・多方向 |
| 誘発テスト | アプリヘンションサイン | サルカス徴候 |
| 背景 | 外傷による初回脱臼(バンカート損傷) | 関節弛緩性など非外傷性が主 |
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