学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ27P084

理由で解く 柔道整復師

QJ27P084 柔道整復理論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問84
問題
足根骨骨折で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 距骨骨折-リスフラン関節脱臼の合併
2 踵骨骨折-ベーラー角の減少
3 舟状骨骨折-足底の感覚障害
4 立方骨骨折-内側アーチの低下
解答
正解2(踵骨骨折-ベーラー角の減少)
解説

踵骨骨折では踵骨隆起が押し下げられ、側面像で測るベーラー角(結節角)が減少する。これが踵骨圧迫骨折を示す代表的な所見。

ベーラー角は、踵骨後上縁と後距骨関節面上縁を結ぶ線、および後距骨関節面上縁と前上縁を結ぶ線がなす角で、正常はおよそ25〜40度。高所から落ちて踵から着地すると、距骨が踵骨に上方から打ち込まれ、後距骨関節面が陥没して角度が小さくなる(重症例では消失・逆転する)。踵骨骨折は両側性に生じることがあり、力が体幹へ伝わることで胸腰椎移行部の圧迫骨折を合併する例も多い。したがって足部だけでなく、必ず腰背部痛の有無も確認する。腫脹が強く区画症候群を起こしうるので、下肢を挙上し、しびれや強い疼痛の増強があれば速やかに医師へつなぐ。

✓ 2. 正しい
踵骨骨折-ベーラー角の減少
距骨に打ち込まれて後距骨関節面が陥没するため、ベーラー角は減少する。角度の減少の程度が関節面のつぶれ具合を反映する。
✗ 1. 誤り
距骨骨折-リスフラン関節脱臼の合併
リスフラン関節(足根中足関節)の脱臼は中足骨基部・楔状骨レベルの損傷で問題になる。距骨骨折で問題になるのは距骨下関節・足関節の障害と、距骨体部の阻血性壊死。
✗ 3. 誤り
舟状骨骨折-足底の感覚障害
足底の感覚は脛骨神経から分かれる内側・外側足底神経が支配し、足根管部の絞扼などで障害される。舟状骨骨折の主症状は足内側の限局した圧痛・腫脹と荷重時痛であり、感覚障害を特徴とはしない。
✗ 4. 誤り
立方骨骨折-内側アーチの低下
立方骨は外側縦アーチ(踵骨—立方骨—第4・5中足骨)の構成骨。内側縦アーチは踵骨・距骨・舟状骨・楔状骨・第1〜3中足骨で構成され、舟状骨の損傷や後脛骨筋腱の機能不全で低下する。
ポイント
  • ベーラー角(結節角)は正常およそ25〜40度。踵骨骨折で減少する。
  • 受傷機転は高所からの転落で踵から着地する軸圧。両側性のことがある。
  • 胸腰椎移行部の圧迫骨折の合併が多く、腰背部痛の確認が必須。
  • 内側縦アーチ=踵骨・距骨・舟状骨・楔状骨・第1〜3中足骨。立方骨は外側縦アーチ。
  • 足底の感覚は脛骨神経(内・外側足底神経)支配。
比較表
骨折部位特徴的な所見・合併症
踵骨ベーラー角の減少、脊椎圧迫骨折の合併
距骨距骨下関節・足関節の障害、体部の阻血性壊死
舟状骨足内側の限局した圧痛、内側縦アーチの障害
立方骨外側縦アーチの構成骨、外側の荷重時痛
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