学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ27P083

理由で解く 柔道整復師

QJ27P083 柔道整復理論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問83
問題
大腿骨骨幹部骨折で誤っているのはどれか。
選択肢
1 介達外力による発生が多い。
2 斜骨折は再転位の傾向が強い。
3 開放性骨折となることがある。
4 ショック、合併症に十分注意する。
解答
正解1(介達外力による発生が多い。)
解説

大腿骨骨幹部骨折は交通事故や高所転落など、強大な直達外力で起こることが多い。したがって「介達外力による発生が多い」とする1が設問の答え。

大腿骨は人体で最も太く強い長管骨であり、その骨幹が折れるには大きなエネルギーが必要となる。バンパー外傷、高所からの転落、機械への挟まれなど直達外力による発生が中心である(介達外力での発生がないわけではないが、多数を占めるのは直達外力)。骨折部からの出血は1,000〜1,500mL以上に達しうるため、出血性ショックの管理が最優先となる。また周囲の強い筋群(腸腰筋・殿筋群・内転筋群・大腿四頭筋・ハムストリングス)が骨片を引くので転位が大きく、上1/3骨折では近位骨片が屈曲・外転・外旋位をとる。脂肪塞栓症候群、坐骨神経・大腿動脈損傷、開放骨折の合併にも注意する。顔色・冷汗・脈拍・意識レベルを観察しながら下肢全体を副子で固定し、保温して救急搬送する。

✓ 1. これが答え(誤っている記述)
介達外力による発生が多い。
実際には交通事故・転落などの強大な直達外力による発生が多い。この点が事実と異なるため、これが設問の答え。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
斜骨折は再転位の傾向が強い。
骨折面が斜めだと、強い筋の牽引で骨片が骨折面に沿って滑りやすく、整復位が保ちにくい。螺旋状骨折も同様。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
開放性骨折となることがある。
強大な外力で生じるうえ、鋭い骨片が内側から皮膚を破ることがある。感染のリスクが高く、緊急の医療機関搬送が必要となる。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
ショック、合併症に十分注意する。
大量出血による出血性ショック、脂肪塞栓症候群、血管・神経損傷などが起こりうる。バイタルサインを観察しながら搬送する。
ポイント
  • 大腿骨骨幹部骨折は強大な直達外力による発生が中心。
  • 出血は1,000〜1,500mL以上に達しうる。出血性ショックに最優先で対応する。
  • 強い筋群の牽引で転位が大きい。上1/3骨折では近位骨片が屈曲・外転・外旋。
  • 斜骨折・螺旋状骨折は骨片が滑り再転位しやすい。
  • 脂肪塞栓症候群、血管・神経損傷、開放骨折の合併に注意して救急搬送する。
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