学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ26P090
理由で解く 柔道整復師
反復性肩関節脱臼の背景にあるのは、初回脱臼で壊れた前下方の制動機構(関節唇・関節上腕靱帯・骨頭)である。肩峰下インピンジメント症候群は不安定性の原因ではない。
肩関節前方脱臼を繰り返す症例では、関節窩前下縁の関節唇が関節包・靱帯とともに剥離するバンカート損傷、骨頭後外側が関節窩前縁に衝突してできる陥凹骨折であるヒル・サックス損傷、前下関節上腕靱帯を中心とした関節上腕靱帯の断裂・弛緩がみられる。いずれも外転・外旋位で骨頭を前方から受け止める仕組みを失わせるため、日常動作でも脱臼を繰り返す。これに対し肩峰下インピンジメント症候群は、腱板や肩峰下滑液包が烏口肩峰アーチと衝突して疼痛と挙上時の引っかかりを生じる病態であり、関節の不安定性を直接もたらすものではない。反復する脱臼は保存療法で治りにくく手術適応となることも多いため、疑ったら医師の診察につなぎ、施術では外転外旋を避けた運動指導と肩甲帯・腱板の機能訓練を行う。
| 反復性肩関節脱臼(不安定症) | 肩峰下インピンジメント症候群 | |
|---|---|---|
| 本質 | 前下方制動機構の破綻(不安定性) | 腱板・滑液包と烏口肩峰アーチの衝突(疼痛) |
| 病変 | バンカート損傷、ヒル・サックス損傷、関節上腕靱帯断裂 | 腱板炎・肩峰下滑液包炎、腱板断裂 |
| 症状 | 外転外旋位での脱臼・不安感 | 挙上時の疼痛(有痛弧)、夜間痛 |
| 徒手検査 | アプリヘンション/リロケーション | ニア/ホーキンス |
| 脱臼の反復 | 起こす | 起こさない |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。