学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §2 総論 運動器損傷の診察 / QJ26P094

理由で解く 柔道整復師

QJ26P094 柔道整復理論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問94
問題
橈骨動脈の拍動を調べないのはどれか。
選択肢
1 アドソンテスト
2 ライトテスト
3 モーリーテスト
4 アレンテスト
解答
正解3(モーリーテスト)
解説

モーリーテストは鎖骨上窩(斜角筋隙)を圧迫して圧痛と上肢への放散痛をみる神経系の検査で、4つのうち唯一、橈骨動脈にまったく触れない。これが設問の答えとなる。

胸郭出口症候群では腕神経叢と鎖骨下動脈が同じ狭い通り道で圧迫を受けるため、誘発テストは「血管をみるもの」と「神経をみるもの」に分けて整理すると混乱しない。アドソンテストは頭部を患側へ回旋・伸展させて深呼吸させ、前斜角筋と中斜角筋の間で鎖骨下動脈が絞扼される状況をつくり、橈骨動脈拍動の減弱・消失を確認する。ライトテストは上肢を過外転して小胸筋の下で圧迫される状況を再現し、同じく橈骨動脈拍動をみる。アレンテストは、胸郭出口症候群の誘発テストとしては肩90度外転・外旋、肘90度屈曲位に保ち頭部を対側へ回旋させて橈骨動脈拍動の減弱をみる検査であり、本問のように胸郭出口症候群のテストと並置された文脈ではこちらを指すと考えられる。手の血行検査としてのアレンテストも橈骨動脈と尺骨動脈を圧迫し、一方を解放して手掌の色調回復から掌動脈弓の開存を評価するもので、いずれの意味でも橈骨動脈を圧迫・触知して行う検査である。これに対しモーリーテストは鎖骨上窩を指で押し、局所の圧痛と前腕・手へ放散する痛みの有無をみるだけで、橈骨動脈にはまったく触れない。この一点が正答の根拠である。陽性所見が出た場合は姿勢指導や肩甲帯周囲の筋緊張の調整を行い、症状が強ければ医療機関での精査につなぐ。

✗ 1. 橈骨動脈の拍動を調べる(=設問が求める答えではない)
アドソンテスト
頭部を患側へ回旋・伸展させて深呼吸させ、斜角筋隙での鎖骨下動脈の絞扼を再現する。判定は橈骨動脈拍動の減弱・消失で行う。
✗ 2. 橈骨動脈の拍動を調べる(=設問が求める答えではない)
ライトテスト
上肢を過外転位にして小胸筋下(烏口突起下)での圧迫を再現する検査。こちらも橈骨動脈拍動の変化で判定する。
✓ 3. これが答え(橈骨動脈の拍動を調べない)
モーリーテスト
鎖骨上窩の斜角筋隙を直接圧迫し、局所の圧痛と上肢への放散痛の有無をみる神経系の検査。4つのうち唯一、橈骨動脈に触れない。
✗ 4. 橈骨動脈の拍動を調べる(=設問が求める答えではない)
アレンテスト
胸郭出口症候群の誘発テストとしては、肩90度外転・外旋、肘90度屈曲位で頭部を対側へ回旋させ、橈骨動脈拍動の減弱をみる。手の血行検査としてのアレンテストも橈骨動脈と尺骨動脈を圧迫・触知して行うため、いずれにせよ橈骨動脈を扱う検査である。
ポイント
  • 胸郭出口症候群の誘発テストは「血管をみる(拍動)」か「神経をみる(放散痛)」かで二分すると整理しやすい。
  • アドソン=斜角筋隙、ライト=小胸筋下(過外転)。いずれも橈骨動脈拍動で判定。
  • アレンテスト(胸郭出口症候群版)は肩外転外旋・肘屈曲位+頭部対側回旋で橈骨動脈拍動の減弱をみる。手の血行検査版でも橈骨動脈を圧迫・触知する。
  • モーリー=鎖骨上窩の圧迫で圧痛・放散痛をみる。4つのうち橈骨動脈に触れない唯一の検査=正答。
  • 陽性時は姿勢・肩甲帯の筋緊張への対応を行い、症状が強い例は医療機関での精査を勧める。
比較表
検査手技何をみるか橈骨動脈に触れるか
アドソンテスト頭部を患側へ回旋・伸展し深呼吸橈骨動脈拍動の減弱(斜角筋隙)触れる
ライトテスト上肢を過外転位に保持橈骨動脈拍動の減弱(小胸筋下)触れる
アレンテスト肩90度外転外旋・肘90度屈曲位で頭部を対側へ回旋(胸郭出口症候群版)/橈骨・尺骨動脈を圧迫し解放(手の血行検査版)橈骨動脈拍動の減弱/橈骨動脈の圧迫・触知を伴う触れる
モーリーテスト鎖骨上窩を圧迫圧痛・上肢への放散痛(神経)触れない(唯一)
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