学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §11 総論 初期の施術 / QJ27P081

理由で解く 柔道整復師

QJ27P081 柔道整復理論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問81
問題
外傷と固定方法の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 鎖骨骨折一・ーーハンギングキャスト
2 ガレアジ(Galeazzi)骨折-ショートアームキャスト
3 膝内側側副靱帯損傷-シリンダーキャスト
4 脛骨粗面部骨折-PTB キャスト
解答
正解3(膝内側側副靱帯損傷-シリンダーキャスト)
解説

膝内側側副靱帯損傷には、大腿から下腿までを筒状に包んで膝の外反・回旋を制するシリンダーキャストが用いられる。

固定具は「どの関節をどこまで止める必要があるか」で選ぶ。シリンダーキャストは大腿中央部から足関節上までを膝軽度屈曲〜伸展位で包む筒状ギプスで、膝の外反と回旋を抑えて内側側副靱帯にストレスがかからないようにしつつ、足関節は自由に動かせるので足部の循環と筋ポンプが保たれる。ハンギングキャストは上腕骨骨幹部骨折に用い、ギプス自体の重みで持続牽引をかける方法。PTB(膝蓋腱支持)キャストは膝蓋腱に体重をあずけて下腿骨骨幹部骨折の免荷を図る装具。ショートアームキャストは肘を含まないため前腕の回旋を止められない。それぞれ「止めたい動き」と対応づけて覚えるとよい。

✓ 3. 正しい
膝内側側副靱帯損傷-シリンダーキャスト
膝の外反と回旋を制して靱帯を保護しつつ、足関節を残すことで循環障害と足部の拘縮を防げる。損傷の程度に応じて装具に切り替え、早期から大腿四頭筋の等尺性収縮運動を行う。
✗ 1. 誤り
鎖骨骨折一・ーーハンギングキャスト
ハンギングキャストは上腕骨骨幹部骨折に用いる方法。鎖骨骨折では8字帯(リング固定)やデゾー包帯など、両肩を後方へ引いて骨折部の短縮・屈曲転位を防ぐ固定を用いる。
✗ 2. 誤り
ガレアジ(Galeazzi)骨折-ショートアームキャスト
橈骨遠位1/3骨折に遠位橈尺関節脱臼を伴う損傷で、前腕の回旋を止めなければ再転位する。肘関節を含むロングアームキャスト(前腕回外位)が必要になる。
✗ 4. 誤り
脛骨粗面部骨折-PTB キャスト
PTBキャストは膝蓋腱に荷重をあずける構造で、まさに脛骨粗面のすぐ上に圧が集中してしまう。脛骨粗面部(膝蓋腱付着部)の裂離骨折では膝関節伸展位で大腿四頭筋の牽引を弱めて固定する。PTBキャスト本来の適応は下腿骨骨幹部骨折。
ポイント
  • シリンダーキャスト=大腿〜足関節上の筒状ギプス。膝の外反・回旋を制御(内側側副靱帯損傷)。
  • ハンギングキャスト=上腕骨骨幹部骨折。自重で牽引する。
  • PTBキャスト=膝蓋腱支持。下腿骨骨幹部骨折の免荷。
  • ガレアジ骨折は前腕の回旋を止めるためロングアームキャスト(回外位)。
  • 鎖骨骨折は8字帯・デゾー包帯など、肩を後方に引く固定。
比較表
固定法主な適応止めたい動き
シリンダーキャスト膝内側側副靱帯損傷膝の外反・回旋
ハンギングキャスト上腕骨骨幹部骨折短縮転位(自重で牽引)
ロングアームキャスト前腕骨骨折・ガレアジ骨折前腕の回旋
PTBキャスト下腿骨骨幹部骨折骨折部への荷重
8字帯・デゾー包帯鎖骨骨折肩の前方転位・短縮
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