学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §8 疾患別各論 感染性疾患 / QJ27P059
理由で解く 柔道整復師
化膿性関節炎は時間との勝負で、関節軟骨は数日で不可逆的に壊れる。関節穿刺で診断したら早期の切開・洗浄ドレナージと抗菌薬全身投与が原則であり、保存療法が第一選択とはならないため、これが答え。
関節内に細菌が侵入すると、菌体成分と集まった好中球から放出されるプロテアーゼやサイトカインが関節軟骨のプロテオグリカンとⅡ型コラーゲンを分解する。関節液は膿性・混濁となって白血球数が著しく増え、関節包内圧の上昇は骨頭への血行も妨げる。乳幼児の股関節では炎症が骨端に及び、成長障害や病的脱臼といった重い後遺症を残すことがある。診断の要は関節穿刺で、関節液の外観・細胞数・グラム染色・培養を確認する。治療は関節切開または関節鏡下の洗浄・ドレナージによって菌と分解酵素を関節腔から物理的に排出し、起炎菌に応じた抗菌薬を全身投与するのが基本で、急性期を過ぎたら拘縮を防ぐ関節可動域訓練へつなぐ。安静・固定と抗菌薬だけで経過をみると、その間に軟骨が失われる。急激な関節の腫脹・熱感・激しい運動時痛と発熱をみたら、施術を続けず速やかに整形外科へ紹介することが最善の対応となる。
| 疾患 | 経過・関節液の性状 | 手がかり | 初期対応 |
|---|---|---|---|
| 化膿性関節炎 | 急性、膿性・混濁、白血球著増 | 発熱、激しい運動時痛、全可動域制限 | 穿刺で確認し、切開洗浄+抗菌薬(緊急) |
| 結晶性関節炎(痛風・偽痛風) | 急性、混濁するが結晶を認める | 母趾MTP(痛風)、膝の軟骨石灰化(偽痛風) | 抗炎症治療。感染の否定が先 |
| 関節リウマチの増悪 | 亜急性、多関節・対称性 | 朝のこわばり、他関節にも所見 | 疾患活動性の評価と抗リウマチ治療 |
| 外傷性関節血症 | 受傷直後に急速に腫脹、血性 | 明らかな外傷歴 | 受傷機転に応じた画像評価と固定 |
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