学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §25 臨床実地問題 / QJ27P058
理由で解く 柔道整復師
ガワーズ徴候陽性と下腿三頭筋の仮性肥大がそろう6歳男児は、Duchenne型筋ジストロフィーを考える。進行すると呼吸筋が侵され、肺活量など呼吸量が低下する。
Duchenne型筋ジストロフィーは、筋線維膜を裏打ちするジストロフィンが欠損し、収縮のたびに膜が壊れて筋の壊死と再生を繰り返す疾患である。やがて再生が追いつかなくなり、筋は脂肪と線維組織に置き換わる。骨盤帯など近位筋から侵されるため、床から立ち上がるときに自分の体を手でよじ登るガワーズ(登攀性起立)徴候、動揺性歩行、腰椎前弯の増強が現れる。下腿三頭筋が太く見えるのは筋力があるからではなく、脂肪・結合組織の増生による仮性肥大である。10歳前後で歩行が困難となり、車椅子生活に移ると脊柱側弯が進み、肋間筋と横隔膜の筋力低下に胸郭変形が加わって拘束性換気障害となる。心筋にもジストロフィンが必要なため心筋症を合併し、呼吸不全と心不全が予後を左右する。定期的な肺活量・心機能の評価、呼吸理学療法、装具や姿勢管理、非侵襲的換気の導入時期の検討を多職種で継続していく。
| 所見 | Duchenne型筋ジストロフィー(筋原性) | 上位運動ニューロン障害(痙性麻痺) |
|---|---|---|
| 深部腱反射 | 減弱〜消失 | 亢進 |
| 病的反射 | 陰性 | 陽性(バビンスキー徴候など) |
| 筋緊張 | 低下 | 亢進(痙縮) |
| 歩行 | 動揺性(アヒル)歩行、腰椎前弯増強 | 分回し歩行、はさみ足歩行 |
| 筋の外観 | 下腿三頭筋の仮性肥大、近位筋の萎縮 | 廃用性の萎縮が主 |
| 進行期の問題 | 拘束性換気障害・心筋症 | 拘縮・変形、原疾患による |
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