学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §10 疾患別各論 非感染性軟部・骨関節疾患 / QJ27P057

理由で解く 柔道整復師

QJ27P057 整形外科学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問57
問題
続発性骨粗鬆症の原因で誤っているのはどれか。
選択肢
1 関節リウマチ
2 副腎皮質ステロイド薬
3 甲状腺機能低下症
4 安静臥床
解答
正解3(甲状腺機能低下症)
解説

続発性骨粗鬆症は「ホルモン」「薬」「不動」「慢性炎症」で起こる。骨代謝回転を高める甲状腺機能亢進症は原因になるが、低下症は原因疾患に含まれないため、これが答え。

続発性骨粗鬆症は、原因となる疾患・薬剤・生活状況がはっきりしている骨粗鬆症を指す。内分泌性(副甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症、性腺機能低下)、薬剤性(副腎皮質ステロイド薬が代表)、不動性(廃用)、栄養性、そして関節リウマチのような慢性炎症性疾患が主な柱になる。甲状腺ホルモンは破骨細胞と骨芽細胞の両方を刺激して骨代謝回転を高めるが、吸収が形成を上回るため、亢進症では骨量が減る。逆に機能低下症では骨代謝回転そのものが落ちるため、骨粗鬆症の原因疾患としては数えない(ただし治療でホルモン製剤を過剰に補充すれば、亢進症と同じ状況をつくり骨量減少につながりうる点は補足として覚えておくとよい)。「骨代謝回転が上がるほど骨は減りやすい」という軸で整理すると、内分泌疾患の当てはめが速くなる。

✓ 3. これが答え(原因に当てはまらない)
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンが不足すると骨代謝回転はむしろ低下するため、続発性骨粗鬆症の原因疾患には挙げられない。骨を減らすのは「亢進症」のほうで、動悸・発汗・体重減少といった全身の代謝亢進とセットで骨吸収も進むと考えるとつながる。臨床では低下症の患者でもホルモン補充が過量になれば骨量低下を招くため、補充量の適正化が予防になる。
✗ 1. 原因になる(答えではない)
関節リウマチ
滑膜で産生されるTNF-αやIL-6などの炎症性サイトカインがRANKLを介して破骨細胞を活性化するため、罹患関節周囲の傍関節性骨萎縮だけでなく全身性の骨量減少が進む。加えて疼痛による活動量の低下、ステロイド薬の使用が重なり、骨折リスクは同年代より明らかに高い。疾患活動性の制御と運動の継続、骨密度の定期評価を組み合わせて対応する。
✗ 2. 原因になる(答えではない)
副腎皮質ステロイド薬
薬剤性骨粗鬆症の代表で、続発性骨粗鬆症の原因として頻度が高い。骨芽細胞・骨細胞のアポトーシス促進、腸管からのカルシウム吸収低下、尿中カルシウム排泄増加、性ホルモン低下が重なって働く。投与開始後の早い時期から骨量が減り、しかも骨密度の値から予想されるより骨折しやすいのが特徴で、長期投与では骨粗鬆症の予防的治療が検討される。
✗ 4. 原因になる(答えではない)
安静臥床
骨は荷重と筋収縮というメカニカルストレスを感じ取って量を保っている。臥床が続くとその刺激が途絶え、骨吸収が優位になって廃用性(不動性)骨粗鬆症が進む。ギプス固定した肢や麻痺肢でも局所的に同じことが起こるため、早期離床、可能な範囲の荷重、等尺性収縮を含む運動を早くから取り入れる。
ポイント
  • 続発性骨粗鬆症の柱は「内分泌性・薬剤性・不動性・栄養性・慢性炎症性」。
  • 骨を減らすのは甲状腺機能「亢進」症。骨代謝回転が上がるほど骨は減りやすい、が判断軸。
  • 甲状腺機能低下症は骨代謝回転が下がるため原因疾患に含まれない(過量補充時は別)。
  • 副腎皮質ステロイド薬は薬剤性の代表で、骨密度の割に骨折しやすい。
  • 関節リウマチはサイトカイン→RANKL経由の骨吸収亢進に、活動性低下とステロイドが重なる。
  • 不動性骨粗鬆症への対策は早期離床と荷重・筋収縮の再開。
比較表
病態・要因骨への作用骨粗鬆症の原因になるか
甲状腺機能亢進症骨代謝回転亢進、吸収が形成を上回るなる
甲状腺機能低下症骨代謝回転が低下ならない(原因疾患に含めない)
副甲状腺機能亢進症PTH持続高値で骨吸収亢進(皮質骨優位)なる
クッシング症候群・ステロイド薬骨形成抑制+Ca吸収低下・排泄増加なる
関節リウマチ炎症性サイトカイン→RANKL→破骨細胞活性化なる
安静臥床・麻痺・固定メカニカルストレス消失で吸収優位なる(廃用性)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。