学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §11 疾患別各論 全身性の骨・軟部疾患 / QJ27P056

理由で解く 柔道整復師

QJ27P056 整形外科学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問56
問題
大理石骨病で誤っているのはどれか。
選択肢
1 骨硬化像を示す。
2 水頭症を合併する。
3 視力障害をきたす。
4 病的骨折を生じる。
解答
正解2(水頭症を合併する。)
解説

大理石骨病は破骨細胞が働かず骨吸収が止まる病気で、骨は硬く厚くなる。硬いのに脆く、骨髄腔が狭まり、頭蓋の孔が狭窄して脳神経が圧迫される。水頭症は代表的な合併症として挙がらないので、これが答え。

大理石骨病(Albers-Schönberg病、骨硬化症)は、破骨細胞の骨吸収機能が障害されて骨のリモデリングが滞る疾患群である。一次海綿骨が吸収されずに残るため、エックス線ではびまん性の骨硬化像、骨幹端の帯状硬化像、椎体上下縁が濃く写るサンドイッチ椎などを示す。骨量は多いが、古い骨が置き換わらず骨質が劣化しているため、硬い割に脆く、軽微な外力で横骨折型の病的骨折を起こす。硬化骨が骨髄腔を埋めると造血の場が失われて貧血・易感染性・出血傾向が現れ(骨髄癆)、代償として肝脾腫をきたす。さらに頭蓋底の骨が肥厚すると視神経管や内耳道、顔面神経管が狭くなり、視神経萎縮による視力障害、難聴、顔面神経麻痺が生じる。一方、水頭症は髄液の産生・循環・吸収の障害によって脳室が拡大する病態であり、大理石骨病の典型的な合併症としては挙げられない。

✓ 2. これが答え(記述が誤り)
水頭症を合併する。
水頭症は髄液の循環・吸収経路の障害で起こる病態で、破骨細胞の機能不全という大理石骨病の本質とは結びつかない。この疾患で押さえるべき頭部の合併症は、頭蓋底の骨肥厚による孔の狭窄が脳神経を絞めつけて起こす視力障害・難聴・顔面神経麻痺である。「頭蓋に関わる症状=水頭症」と短絡せず、圧迫される構造が神経の通り道であることを確認して選ぶ。
✗ 1. 記述は正しい(答えではない)
骨硬化像を示す。
骨吸収が進まないまま骨形成が続くため、全身の骨がびまん性に白く(高吸収に)写る。骨幹端の帯状硬化、椎体のサンドイッチ椎、骨の中にもう一つ骨が見える骨中骨像などが典型で、疾患名の「大理石」もこの見え方に由来する。
✗ 3. 記述は正しい(答えではない)
視力障害をきたす。
頭蓋底の肥厚で視神経管が狭くなり、視神経が圧迫されて萎縮するため視力低下や視野障害が起こる。同じ機序で内耳道の狭窄による難聴、顔面神経管の狭窄による顔面神経麻痺もみられる。視力・聴力の変化は進行のサインなので、定期的な評価を続ける。
✗ 4. 記述は正しい(答えではない)
病的骨折を生じる。
骨量が多いことと骨が丈夫であることは同じではない。リモデリングが行われず疲労が蓄積した古い骨は靱性を失っており、軽微な外力で横骨折型の病的骨折を起こす。骨髄腔が狭く血行にも乏しいため癒合が遅れやすく、内固定も難しい。日常では転倒予防と活動量の調整を含めた管理を専門医とともに進める。
ポイント
  • 本態は破骨細胞の骨吸収不全。骨吸収が止まり、吸収されない骨が残って硬化する。
  • 画像所見はびまん性骨硬化・骨幹端の帯状硬化・サンドイッチ椎・骨中骨像。
  • 「硬いのに脆い」。リモデリング不全で骨質が劣化し、横骨折型の病的骨折を起こす。
  • 骨髄腔の狭小化で骨髄癆(貧血・易感染性・出血傾向)と代償性肝脾腫。
  • 頭蓋底肥厚による孔の狭窄で視神経萎縮・難聴・顔面神経麻痺。水頭症は典型的合併症ではない。
比較表
大理石骨病骨形成不全症骨粗鬆症
本態破骨細胞の骨吸収不全I型コラーゲンの質・量の異常骨吸収が骨形成を上回る
骨量(骨密度)増加(硬化)低下しやすい低下
エックス線びまん性骨硬化・サンドイッチ椎菲薄な皮質・多発骨折と変形骨梁の粗鬆化・椎体変形
骨折の特徴硬いが脆く横骨折型易骨折性・進行性変形脆弱性骨折(椎体・大腿骨近位部など)
特徴的な随伴所見骨髄癆、脳神経圧迫(視力・聴力障害)青色強膜、歯牙形成不全、難聴身長短縮、円背
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