学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §11 疾患別各論 全身性の骨・軟部疾患 / QJ28P061

理由で解く 柔道整復師

QJ28P061 整形外科学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問61
問題
常染色体劣性の遺伝形式を示すのはどれか。
選択肢
1 マルファン(Marfan)症候群
2 モルキオ(Morquio)病
3 多発性神経線維腫症
4 軟骨無形成症
解答
正解2(モルキオ(Morquio)病)
解説

モルキオ病はムコ多糖症Ⅳ型に分類される先天性代謝異常で、常染色体潜性(劣性)遺伝を示す。他の3つはいずれも常染色体顕性(優性)遺伝である。

遺伝形式は、酵素欠損による代謝異常症は潜性(劣性)、構造蛋白や受容体の異常による形態疾患は顕性(優性)になりやすい、という大まかな傾向を押さえると整理しやすい。モルキオ病はケラタン硫酸などのグリコサミノグリカンを分解する酵素の欠損により、これらが骨・軟骨に蓄積して体幹短縮型の低身長、鳩胸、脊柱後側弯、関節弛緩、角膜混濁をきたす。知能は正常であることが多い点も特徴である。整形外科的にとくに重要なのは歯突起の低形成による環軸椎不安定性で、頸部の過度な屈伸や徒手的な牽引・スラストは脊髄損傷を招く恐れがあるため行わず、頸部症状(四肢のしびれ、歩行障害)があれば直ちに医科へつなぐ。一方、マルファン症候群はフィブリリン-1、軟骨無形成症はFGFR3、多発性神経線維腫症はNF1/NF2遺伝子の異常で、いずれも顕性遺伝である。

✓ 2. 正しい
モルキオ(Morquio)病
ムコ多糖症Ⅳ型で、分解酵素の欠損によりケラタン硫酸が蓄積する常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。体幹短縮型低身長、鳩胸、脊柱後側弯、関節弛緩、角膜混濁を呈し、知能は正常なことが多い。歯突起低形成による環軸椎不安定性に注意する。
✗ 1. 誤り
マルファン(Marfan)症候群
FBN1遺伝子(フィブリリン-1)の異常による常染色体顕性(優性)遺伝疾患である。高身長・クモ状指・関節過可動・漏斗胸・水晶体亜脱臼・大動脈基部拡張を特徴とし、潜性遺伝ではない。
✗ 3. 誤り
多発性神経線維腫症
NF1(レックリングハウゼン病)・NF2ともに常染色体顕性(優性)遺伝である。NF1ではカフェオレ斑と多発する神経線維腫、側弯や脛骨の偽関節を伴うことがある。
✗ 4. 誤り
軟骨無形成症
FGFR3遺伝子の異常による常染色体顕性(優性)遺伝疾患で、四肢短縮型の低身長、三尖手、腰椎前弯増強、大後頭孔狭窄を特徴とする。ただし約8割は両親に異常のない新生突然変異による発症であり、家族歴がないことが多い点が試験の狙い目である。
ポイント
  • モルキオ病=ムコ多糖症Ⅳ型、常染色体潜性(劣性)遺伝。体幹短縮型低身長・角膜混濁・知能正常。
  • モルキオ病では歯突起低形成による環軸椎不安定性があり、頸部への徒手的操作は避ける。
  • マルファン症候群(FBN1)・多発性神経線維腫症(NF1/NF2)・軟骨無形成症(FGFR3)はいずれも顕性(優性)遺伝。
  • 軟骨無形成症は顕性遺伝だが約8割が新生突然変異で、家族歴がないことが多い。
  • 酵素欠損による代謝異常症は潜性、構造蛋白・受容体の異常は顕性という傾向で整理する。
比較表
疾患遺伝形式原因低身長の型・特徴
モルキオ病常染色体潜性(劣性)ムコ多糖分解酵素の欠損体幹短縮型。角膜混濁、環軸椎不安定性
マルファン症候群常染色体顕性(優性)FBN1(フィブリリン-1)高身長。水晶体亜脱臼、大動脈基部拡張
多発性神経線維腫症常染色体顕性(優性)NF1/NF2カフェオレ斑、神経線維腫、側弯
軟骨無形成症常染色体顕性(優性)FGFR3四肢短縮型。約8割が新生突然変異
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