学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §11 疾患別各論 全身性の骨・軟部疾患 / QJ26P057

理由で解く 柔道整復師

QJ26P057 整形外科学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問57
問題
くる病で誤っているのはどれか。
選択肢
1 成長の障害
2 歩行開始の遅延
3 骨端線閉鎖後の発症
4 下肢の高度な変形
解答
正解3(骨端線閉鎖後の発症)
解説

くる病は、骨端線(成長軟骨)が開いている成長期に、ビタミンDの作用不足で類骨に石灰が沈着しなくなる病気です。骨端線が閉じたあとに同じことが起これば骨軟化症と呼び分けるため、「骨端線閉鎖後の発症」とする3が誤りで、これが答えになります。

ビタミンDが不足するとカルシウムとリンの吸収が落ち、成長軟骨で作られた類骨が固まらないまま残ります。柔らかい骨端軟骨部は荷重や筋の牽引で押し広げられ、手関節が太くみえたり、肋骨と肋軟骨の移行部が数珠状に膨らむ(肋骨念珠)といった所見が出ます。体重のかかる下肢は内反膝(O脚)や外反膝に大きく曲がり、骨の痛みと筋力低下から立つ・歩くの獲得が遅れ、身長も伸び悩みます。背景には日光曝露の不足、ビタミンD補充のない完全母乳栄養、極端な食事制限のほか、低リン血症性や腎尿細管性など原因の異なるタイプもあります。適切な日光浴とビタミンD・カルシウムの補充で改善が期待でき、成長に伴って変形が矯正されることも多いため、下肢変形の子どもをみたら原因検索も含めて小児科・整形外科の評価につなぎます。

✗ 1. 正しい記述(答えではない)
成長の障害
成長軟骨で作られた類骨が石灰化しないため、骨が縦に伸びていきません。低身長・成長障害はくる病の中心的な所見で、設問が求める「誤っているもの」には当たりません。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
歩行開始の遅延
骨の痛み、下肢の変形、筋力低下(筋緊張低下)が重なるため、つかまり立ちや歩き始めが遅れます。運動発達の遅れが受診のきっかけになることも多く、くる病でみられる所見です。
✓ 3. 誤り=これが答え
骨端線閉鎖後の発症
くる病は骨端線が残っている成長期に限って使う病名です。石灰化障害が骨端線閉鎖後(成人期)に起これば骨軟化症と呼び、症状も骨痛・筋力低下・偽骨折が中心になり、成長軟骨に由来する変形は生じません。「成長軟骨があるか・ないか」が両者を分ける唯一の境目だと覚えてください。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
下肢の高度な変形
柔らかい骨に体重がかかることで、内反膝(O脚)や外反膝といった高度な変形をきたします。くる病を代表する所見であり、設問が求めている選択肢ではありません。
ポイント
  • くる病=骨端線が開いている時期の石灰化障害。骨端線閉鎖後に同じことが起これば骨軟化症。
  • 原因はビタミンDの作用不足(日光不足・摂取不足・低リン血症性・腎尿細管性など)。
  • 所見は成長障害、下肢変形(O脚・X脚)、手関節の腫大、肋骨念珠、歩行開始の遅延。
  • 治療はビタミンD・カルシウムの補充と日光浴、原因のタイプに応じた治療。変形は成長に伴い改善することも多い。
  • 下肢変形の乳幼児をみたら、生理的O脚と決めつけず、成長曲線と発達を確認して医師の評価につなぐ。
比較表
くる病骨軟化症
発症時期骨端線閉鎖前(成長期)骨端線閉鎖後(成人)
本態類骨の石灰化障害(ビタミンD作用不足など)
骨の変形下肢変形(O脚・X脚)、手関節腫大、肋骨念珠成長軟骨由来の変形はない
成長低身長・成長障害成長には影響しない
主な訴え歩行開始の遅延、変形骨痛、筋力低下、偽骨折
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