学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §11 疾患別各論 全身性の骨・軟部疾患 / QJ26P056

理由で解く 柔道整復師

QJ26P056 整形外科学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問56
問題
正しい組合せはどれか。
選択肢
1 軟骨無形成症-青色強膜
2 骨形成不全症-顔面神経麻痺
3 大理石骨病-骨形成障害
4 マルファン(Marfan)症候群-解離性大動脈瘤
解答
正解4(マルファン(Marfan)症候群-解離性大動脈瘤)
解説

骨系統疾患は「どの組織のどの働きが壊れているか」を押さえると、症状が芋づる式につながります。マルファン症候群は結合組織(フィブリリン)の異常で大動脈壁がもろくなるため解離性大動脈瘤をきたし、4が正しい組合せです。

軟骨無形成症は成長軟骨での軟骨内骨化が進まないため、四肢(とくに上腕・大腿といった近位部)が短い低身長になります。骨形成不全症はⅠ型コラーゲンの異常で、易骨折性・青色強膜・難聴・歯の形成不全がセットになります。大理石骨病は破骨細胞が働かず骨を吸収できない病気で、骨はX線で真っ白に硬くなりますが、古い骨を作り替えられないためかえって折れやすく、骨髄腔が狭くなって汎血球減少や肝脾腫も起こります。マルファン症候群はフィブリリン1の異常で、高身長・クモ状指・水晶体亜脱臼に加え、大動脈基部の拡張から解離へ進むのが生命予後を左右する点です。この4つは「原因となる組織」を書き出してから症状を割り付けると、組合せ問題で崩れません。

✗ 1. 誤り
軟骨無形成症-青色強膜
青色強膜は骨形成不全症の所見です。強膜のコラーゲンが薄いため、奥の脈絡膜が透けて青く見えます。軟骨無形成症でみられるのは、四肢短縮型の低身長、相対的に大きな頭と鞍鼻、指がそろわず三又に見える三尖手などです。
✗ 2. 誤り
骨形成不全症-顔面神経麻痺
骨形成不全症で耳に出るのは難聴です。耳小骨自体がもろく、耳硬化症に似た伝音難聴をきたします。顔面神経麻痺は本症の代表所見ではありません。「もろい骨・青い強膜・聞こえにくい耳・弱い歯」と4点セットで覚えると取り違えません。
✗ 3. 誤り
大理石骨病-骨形成障害
大理石骨病は破骨細胞の機能不全による「骨吸収障害」です。壊す働きが止まって作る働きだけが残るため骨が硬く厚くなり、大理石のようにX線で白く写ります。骨を作れないのではなく、作り替えられないと理解するのがポイントです。
✓ 4. 正しい
マルファン(Marfan)症候群-解離性大動脈瘤
フィブリリン1の異常で弾性線維がもろくなり、大動脈中膜が耐えられずに基部から拡張し、解離性大動脈瘤にいたります。高身長・クモ状指(長い指)・水晶体亜脱臼・漏斗胸や側彎をみたら、整形外科的な所見だけで完結させず、循環器の精査につなぐ判断が求められます。
ポイント
  • 青色強膜・易骨折性・難聴・歯の形成不全=骨形成不全症(Ⅰ型コラーゲンの異常)。
  • 軟骨無形成症=軟骨内骨化の障害。四肢短縮型低身長、三尖手、鞍鼻。
  • 大理石骨病=破骨細胞が働かない「骨吸収障害」。硬いのに折れやすく、骨髄腔が狭まり汎血球減少。
  • マルファン症候群=フィブリリン1の異常。高身長・クモ状指・水晶体亜脱臼・大動脈解離。
  • 身体所見から全身疾患を疑ったら、その場の施術判断で完結させず専門医の評価につなぐ。
比較表
疾患本態骨の特徴骨以外の特徴
軟骨無形成症軟骨内骨化の障害四肢短縮型低身長大きな頭、鞍鼻、三尖手
骨形成不全症Ⅰ型コラーゲンの異常易骨折性、骨変形青色強膜、難聴、歯の形成不全
大理石骨病破骨細胞の機能不全(骨吸収障害)骨硬化・X線で白い、易骨折汎血球減少、肝脾腫、脳神経圧迫
マルファン症候群フィブリリン1の異常高身長、クモ状指、側彎、漏斗胸水晶体亜脱臼、大動脈解離・大動脈瘤
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