学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §11 疾患別各論 全身性の骨・軟部疾患 / QJ25P056

理由で解く 柔道整復師

QJ25P056 整形外科学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問56
問題
骨形成不全症でみられないのはどれか。
選択肢
1 青色強膜
2 水頭症
3 難聴
4 大腿骨弯曲変形
解答
正解2(水頭症)
解説

骨形成不全症は、骨や強膜・歯・靱帯などの土台となるI型コラーゲンが質・量ともに障害される先天性疾患です。したがって症状はI型コラーゲンが多い組織に出そろい、脳脊髄液の循環障害である水頭症はここに含まれません。

主にCOL1A1・COL1A2遺伝子の変異によりI型コラーゲンがうまく作られず、常染色体顕性(優性)遺伝が多くを占めます。骨は脆くなり軽微な外力で骨折を繰り返し(易骨折性)、繰り返す骨折と骨の脆弱性から大腿骨など長管骨が弯曲変形し、脊柱側弯もきたします。強膜が薄くなって下の脈絡膜が透けるため青色強膜となり、耳小骨と内耳の障害から思春期以降に進行性の難聴が出現し、象牙質形成不全による歯の変色・脆弱もみられます。いずれも「I型コラーゲンが担っている組織」という一本の筋で説明でき、症候を丸暗記する必要がありません。骨折を繰り返すため、施術に際しては愛護的な操作と骨折リスクの共有が欠かせず、変形や新たな疼痛を認めたときは主治医と連携して評価を受けてもらいます。

✓ 2. これはみられない(正答)
水頭症
水頭症は脳脊髄液の産生・循環・吸収の障害で生じる病態で、I型コラーゲンの異常とは経路が異なり、骨形成不全症の代表的所見には挙がりません。大頭や水頭症を伴いやすいのは軟骨無形成症で、両者は「先天性の骨系統疾患」という枠が同じため混同しやすい組合せです。骨形成不全症でも重症例では頭蓋底が陥入する変化が報告されますが、これは水頭症とは別の病態です。
✗ 1. みられる(答えではない)
青色強膜
強膜のコラーゲンが減って菲薄化し、その下の脈絡膜の色が透けて青みがかって見えます。本症を疑う入り口になる、視診で分かりやすい所見です。
✗ 3. みられる(答えではない)
難聴
耳小骨自体の脆弱化や固着、内耳の障害により、学童期以降から成人にかけて進行性の難聴が現れます。伝音難聴で始まり混合性難聴へ進むことが多く、青色強膜・易骨折性と並ぶ本症の代表的な症候です。
✗ 4. みられる(答えではない)
大腿骨弯曲変形
骨の脆弱性と骨折の反復により、荷重のかかる大腿骨や下腿骨が弓なりに弯曲します。骨折の変形治癒も加わるため、成長とともに変形が目立つようになります。
ポイント
  • 本態はI型コラーゲンの異常(COL1A1/COL1A2)。症候はI型コラーゲンが多い組織に集中する。
  • 四徴のイメージ=易骨折性・青色強膜・難聴・歯(象牙質)形成不全。これに長管骨の弯曲変形と側弯が加わる。
  • 水頭症は本症の代表的所見ではない。大頭・水頭症を伴いやすいのは軟骨無形成症。
  • 骨折の反復が変形を進めるため、施術は愛護的に行い、新たな疼痛や変形は速やかに医師の評価につなぐ。
比較表
項目骨形成不全症軟骨無形成症くる病
本態I型コラーゲンの異常FGFR3の異常による軟骨内骨化障害ビタミンD作用不足による石灰化障害
強膜青色強膜正常正常
難聴進行性にみられる中耳炎に伴うことはあるが典型的でないみられない
頭部水頭症は典型的でない大頭・前額部突出、水頭症を伴うことがある頭蓋癆、前頭部突出
下肢易骨折性と長管骨の弯曲変形四肢(近位)短縮、内反膝内反膝・外反膝、骨端の杯状変化
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