学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §19 主要な疾患 神経系疾患 / QJ27P041

理由で解く 柔道整復師

QJ27P041 一般臨床医学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問41
問題
認知症を生じるのはどれか。
選択肢
1 褐色細胞腫
2 正常圧水頭症
3 ネフローゼ症候群
4 マロリー・ワイス (Mallory-Weiss) 症候群
解答
正解2(正常圧水頭症)
解説

正常圧水頭症は認知機能低下・歩行障害・尿失禁の三徴を示し、手術で改善が期待できる「治療可能な認知症」の代表です。正答は2。

特発性正常圧水頭症は、髄液の循環・吸収が障害されて脳室が拡大するにもかかわらず、髄液圧は正常範囲にとどまるものです。歩行障害(小刻みで足が開き気味、方向転換がぎこちない)、認知機能低下(意欲低下、動作緩慢、注意力の低下)、尿失禁の三徴が特徴で、多くは歩行障害から始まります。髄液を一定量抜いて症状の改善をみるタップテストで反応が得られれば、脳室‐腹腔シャント術などで回復が期待できます。認知症の原因の多くはアルツハイマー型・血管性・レビー小体型・前頭側頭型といった変性性や血管性ですが、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症などは治療により改善しうるため、見逃さないことが大切です。物忘れと歩行の変化が同時に進む例では、受診を勧めましょう。

✓ 2. 正しい
正常圧水頭症
認知機能低下・歩行障害・尿失禁の三徴を示す。髄液圧は正常だが脳室が拡大し、シャント術で改善しうる「治療可能な認知症」の代表格。
✗ 1. 該当しない
褐色細胞腫
副腎髄質などに生じるカテコラミン産生腫瘍。発作性の高血圧、頭痛、動悸、発汗過多、高血糖(5H)が特徴で、認知症をきたす疾患ではない。
✗ 3. 該当しない
ネフローゼ症候群
高度の蛋白尿、低アルブミン血症、浮腫、脂質異常症を主徴とする腎疾患。認知症の原因にはならない。
✗ 4. 該当しない
マロリー・ワイス (Mallory-Weiss) 症候群
激しい嘔吐を繰り返すことで食道胃接合部の粘膜が縦に裂け、吐血をきたす病態。飲酒後に多く、上部消化管出血の原因の一つ。認知症とは関係しない。
ポイント
  • 正常圧水頭症の三徴=認知機能低下・歩行障害・尿失禁。歩行障害から始まることが多い
  • 脳室は拡大するが髄液圧は正常範囲にとどまる
  • タップテストで改善すればシャント術の適応。治療可能な認知症の代表
  • ほかの治療可能な認知症:慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症
  • 物忘れと歩行の変化が同時に進むときは受診を勧める
比較表
疾患主な病態・症状認知症との関係
正常圧水頭症脳室拡大、髄液圧は正常。認知症・歩行障害・尿失禁の三徴治療により改善しうる認知症
慢性硬膜下血腫軽微な頭部外傷後、数週〜数か月で血腫が増大治療により改善しうる認知症
褐色細胞腫カテコラミン過剰(高血圧発作、頭痛、動悸、発汗、高血糖)認知症は生じない
ネフローゼ症候群高度蛋白尿、低アルブミン血症、浮腫、脂質異常症認知症は生じない
マロリー・ワイス症候群反復する嘔吐による食道胃接合部の粘膜裂創、吐血認知症は生じない
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