学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §6 診察各論 触診 / QJ27P030
理由で解く 柔道整復師
胃潰瘍の圧痛点はボアス(Boas)点で、第10〜12胸椎棘突起の左側(左傍脊柱部)にあります。背部に圧痛が出るという点が、腹部にある虫垂炎の圧痛点との大きな違いです。
内臓からの痛覚は内臓求心性線維を通って脊髄に入りますが、そこで同じ脊髄分節に入ってくる皮膚や筋からの体性感覚と中枢で混線するため、脳は病変から離れた体表の痛みとして認識します(関連痛、収束投射説)。胃潰瘍で背部に圧痛が現れるのもこの機序によるもので、その部位が第10〜12胸椎棘突起の左側=ボアス点として教科書上定義されています。十二指腸潰瘍では同じ高さの右側に出ることが多く、左右で使い分けます。なお、脊髄分節の番号と椎骨・棘突起の高位は一致しないため(脊髄分節は同じ番号の椎体より高い位置にあります)、圧痛点の位置を分節番号からそのまま導くことはできません。「なぜ背中が痛むのか」という関連痛の機序と、「圧痛点がどこにあるか」という定義は切り分けて押さえ、腹部の圧痛点(虫垂炎のマックバーネー点・ランツ点・ムンロー点、胆嚢のマーフィー徴候)と混同しないよう、臓器ごとに位置をセットで整理しておきます。
| 圧痛点 | 部位 | 示す病態 |
|---|---|---|
| ボアス点 | 第10〜12胸椎棘突起の左側(十二指腸潰瘍では右側) | 胃潰瘍 |
| マックバーネー点 | 臍と右上前腸骨棘を結ぶ線の外側1/3 | 急性虫垂炎 |
| ランツ点 | 左右の上前腸骨棘を結ぶ線の右1/3 | 急性虫垂炎 |
| ムンロー点 | 臍と右上前腸骨棘を結ぶ線の中点 | 急性虫垂炎 |
| オトガイ点 | 下顎のオトガイ孔部(顔面) | 三叉神経痛(第3枝) |
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