学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §4 診察各論 打診 / QJ27P029

理由で解く 柔道整復師

QJ27P029 一般臨床医学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問29
問題
胸水が貯留した胸部の打診音はどれか。
選択肢
1 清音
2 鼓音
3 濁音
4 グル音
解答
正解3(濁音)
解説

液体がたまっている部位は打診で「濁音」になります。正答は3。

打診音は、叩いた場所の下にある組織がどれだけ空気を含むかで決まります。空気を多く含む正常肺では清音(共鳴音)、空気しかない空間(胃泡、腸管ガス、気胸)では鼓音、水や充実性の組織では濁音になります。胸水は胸膜腔に液体が貯留した状態なので、貯留部(座位なら背側の下方)は濁音となり、その上縁の高さは体位を変えると移動します。あわせて呼吸音の減弱、声音振盪の低下がみられます。胸水の背景には心不全、肺炎、胸膜炎、悪性腫瘍、結核などさまざまな疾患があるため、呼吸困難や打診音の左右差に気づいたら、医療機関での胸部X線・超音波検査につなぎます。

✓ 3. 正しい
濁音
液体(胸水)や充実性組織の上では音が吸収され、短く鈍い濁音となる。肺炎の浸潤影、無気肺、腫瘤でも濁音になる。
✗ 1. 該当しない
清音
空気を適度に含んだ正常な肺野で聴かれる音。胸水がたまっている部位では聴かれない。
✗ 2. 該当しない
鼓音
太鼓を叩いたような響きの強い音で、含気が過剰な気胸や、腹部の腸管ガスの上で聴かれる。肺気腫では清音が強まった過共鳴音となる。いずれも液体貯留とは逆の状態。
✗ 4. 該当しない
グル音
グル音(腸雑音)は打診音ではなく、聴診で聴く腸蠕動音のこと。腸閉塞で金属音様に亢進し、麻痺性イレウスや腹膜炎で減弱する。分類そのものが異なる。
ポイント
  • 打診音は「下にある組織の含気量」で決まる
  • 清音=正常肺/鼓音=含気過剰(気胸・腸管ガス)/濁音=液体・充実性組織
  • 胸水では濁音+呼吸音減弱+声音振盪低下。貯留の上縁は体位で移動する
  • グル音は聴診で聴く腸蠕動音であり、打診音の分類には入らない
  • 打診音の左右差や呼吸困難に気づいたら画像検査につなぐ
比較表
打診音性状代表的な状況
清音(共鳴音)よく響く低い音正常肺野
過共鳴音清音がさらに強く響く肺気腫
鼓音太鼓様の高く響く音気胸、胃泡、腸管ガス
濁音短く鈍い音胸水、肺炎の浸潤、無気肺、腫瘤
絶対的濁音まったく響かない心臓・肝臓など実質臓器の直上
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