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理由で解く 柔道整復師

QJ27P028 一般臨床医学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問28
問題
特徴的な顔貌について正しい組合せはどれか。
選択肢
1 顔面神経麻痺-眼瞼を開けられない。
2 重症筋無力症- 一見すると眠たそうである。
3 大量のステロイド投与-~三日月のような顔貌である。
4 バセドウ (Basedow)病-仮面のような顔貌である。
解答
正解2(重症筋無力症- 一見すると眠たそうである。)
解説

重症筋無力症は両側の眼瞼下垂により「一見すると眠たそう」な顔貌になります。正答は2。

重症筋無力症は、神経筋接合部のアセチルコリン受容体などに対する自己抗体により、神経から筋への刺激伝達が妨げられる自己免疫疾患です。外眼筋と眼瞼挙筋が侵されやすく、眼瞼下垂と複視が初発症状になりやすいのが特徴。使うほど力が入らなくなる易疲労性と、朝は軽く夕方に悪化する日内変動を伴います。胸腺腫・胸腺過形成の合併が多く、抗コリンエステラーゼ薬への反応、反復刺激試験での漸減(waning)、アイスパック試験などで確認します。顔貌は診断の入口になるので、疾患ごとの典型像をセットで整理しておきましょう。

✓ 2. 正しい
重症筋無力症- 一見すると眠たそうである。
眼瞼挙筋の筋力低下で両側の上眼瞼が下がり、目を細めた眠そうな表情に見える。夕方に強まる日内変動があり、「午後になると目が開きにくい」という訴えが典型。
✗ 1. 誤り
顔面神経麻痺-眼瞼を開けられない。
顔面神経が支配するのは眼を閉じる眼輪筋。麻痺では眼が閉じられない兎眼となり、閉眼しようとすると眼球が上転するベル現象がみられる。眼を開けられないのは眼瞼挙筋(動眼神経支配)の問題で、向きが逆。
✗ 3. 誤り
大量のステロイド投与-~三日月のような顔貌である。
顔面に脂肪が沈着して丸くなる満月様顔貌(ムーンフェイス)であり、三日月ではない。中心性肥満、水牛様脂肪沈着、皮膚線条、易感染性、骨粗鬆症などを伴う医原性クッシング症候群の一症状。
✗ 4. 誤り
バセドウ (Basedow)病-仮面のような顔貌である。
バセドウ病は眼球突出と眼裂開大により「驚いたような顔貌」となる。仮面様顔貌(表情に乏しく瞬きが減る)はパーキンソン病や全身性強皮症でみられる所見で、組合せが合わない。
ポイント
  • 重症筋無力症=神経筋接合部の自己免疫疾患。眼瞼下垂・複視で発症しやすい
  • 易疲労性と日内変動(朝軽く夕方増悪)、胸腺腫の合併が多い
  • 顔面神経麻痺は「閉じられない(兎眼)」。「開けられない」は眼瞼下垂で別
  • ステロイド過剰=満月様顔貌、バセドウ病=眼球突出(驚いたような顔)
  • 仮面様顔貌はパーキンソン病・全身性強皮症
比較表
疾患・病態特徴的な顔貌
重症筋無力症両側眼瞼下垂で眠たそうな顔
末梢性顔面神経麻痺閉眼できない(兎眼)、口角下垂、額のしわ消失
ステロイド過剰・クッシング症候群満月様顔貌(ムーンフェイス)
バセドウ病眼球突出・眼裂開大(驚いたような顔)
パーキンソン病仮面様顔貌(無表情、瞬き減少)
全身性強皮症仮面様顔貌、小口症、皮膚硬化
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