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理由で解く 柔道整復師

QJ27P027 一般臨床医学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問27
問題
爪が薄く弱くなり陥凹している場合に欠乏していると考えられるのはどれか。
選択肢
1
2 リン
3 亜鉛
4 蛋白質
解答
正解1(鉄)
解説

爪が薄く脆くなり中央がへこむ「匙状爪(スプーンネイル)」は、鉄欠乏を示す代表的なサインです。正答は1。

鉄はヘモグロビン合成だけでなく、爪や粘膜上皮の細胞が使う鉄含有酵素にも必要です。鉄欠乏性貧血ではこれらが不足するため、爪甲が薄く脆くなり、中央が陥凹して縁が反り返る匙状爪(コイロニキア)になります。ほかに眼瞼結膜の蒼白、易疲労感、動悸・息切れ、舌炎や口角炎、嚥下障害(プランマー・ビンソン症候群)、氷などを好んで食べる異食症を伴うことがあります。若年女性では月経過多、中高年では消化管出血(胃・大腸の潰瘍や腫瘍)が背景にあることが多いので、こうした爪や結膜の所見に気づいたら医療機関の受診を勧めます。

✓ 1. 正しい
鉄欠乏で爪の角化・形成に必要な鉄含有酵素が不足し、爪甲が薄く脆くなって中央が陥凹する匙状爪となる。眼瞼結膜蒼白、舌炎、口角炎など他の鉄欠乏所見と併せて評価する。
✗ 2. 該当しない
リン
低リン血症では骨の石灰化障害(くる病・骨軟化症)、筋力低下、溶血などが生じる。骨や筋の症状が主で、爪が匙状になる所見は代表的ではない。
✗ 3. 該当しない
亜鉛
亜鉛欠乏の主症状は味覚障害、脱毛、皮膚炎、創傷治癒の遅れ、小児の成長障害。爪に横溝や白斑が生じることはあるが、匙状爪の原因として挙げるものではない。
✗ 4. 該当しない
蛋白質
蛋白質不足(低アルブミン血症)では浮腫、筋肉量の減少、易感染性がみられ、爪では白色線・白色爪が知られる。爪の陥凹を特徴とする欠乏ではない。
ポイント
  • 匙状爪(スプーンネイル)=鉄欠乏。薄く脆く、中央が陥凹して縁が反り返る
  • 鉄欠乏性貧血の他の所見:眼瞼結膜蒼白、舌炎、口角炎、嚥下障害、異食症
  • 亜鉛欠乏は味覚障害・脱毛・皮膚炎、蛋白欠乏は浮腫・白色爪と区別する
  • ばち状指は慢性の低酸素(肺疾患・チアノーゼ性心疾患)で、匙状爪とは別
  • 背景に月経過多や消化管出血があることが多いので受診を勧める
比較表
爪・関連所見示唆される状態
匙状爪(陥凹・菲薄)鉄欠乏
ばち状指慢性低酸素(肺疾患、チアノーゼ性心疾患)
白色爪・白色線低アルブミン血症(肝硬変、ネフローゼなど)
横溝(ボー線)重い全身疾患・栄養障害のあと
味覚障害・脱毛亜鉛欠乏
骨軟化症・筋力低下リン(ビタミンD)不足
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