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理由で解く 柔道整復師

QJ27P026 一般臨床医学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問26
問題
一側性の錐体路障害でみられる歩行はどれか。
選択肢
1 鶏歩
2 突進歩行
3 間欠性跛行
4 分回し歩行
解答
正解4(分回し歩行)
解説

一側の錐体路が障害されると対側に痙性片麻痺が生じ、下肢を外側に振り回す分回し歩行になります。正答は4。

錐体路(皮質脊髄路)が一側で障害されると、その対側に痙性の片麻痺が出ます。上肢は屈筋、下肢は伸筋の筋緊張が高まるウェルニッケ‐マン肢位となり、下肢は膝が伸び足関節が尖足位になるため、遊脚期に足を床から持ち上げられません。そこで骨盤を持ち上げ、下肢を外側へ円弧を描くように振り出して前に運びます。これが分回し歩行(円弧歩行)です。歩行の型は障害部位を推定する手がかりになるので、末梢神経障害(鶏歩)、錐体外路障害(突進歩行)、血流・脊柱管の問題(間欠性跛行)と対比して覚えると混同しません。

✓ 4. 正しい
分回し歩行
痙性片麻痺で下肢が伸展・尖足位に固まり、足を持ち上げられないため外側へ円を描いて振り出す。一側性の錐体路障害(脳卒中後の片麻痺など)で典型的にみられる。
✗ 1. 該当しない
鶏歩
総腓骨神経麻痺やシャルコー・マリー・トゥース病などで前脛骨筋が麻痺し下垂足になると、つま先を引っかけないよう膝を高く上げて足を投げ出すように歩く。下位運動ニューロン(末梢神経)障害の歩行。
✗ 2. 該当しない
突進歩行
パーキンソン病など錐体外路(黒質‐線条体系)の障害でみられる。前傾姿勢のまま歩幅が次第に小さく速くなり、自分では止まれなくなる。錐体路障害の歩行ではない。
✗ 3. 該当しない
間欠性跛行
一定距離を歩くと下肢の痛みやしびれで歩けなくなり、休むとまた歩ける状態。閉塞性動脈硬化症(立ち止まるだけで回復)と腰部脊柱管狭窄症(前屈姿勢をとると回復)が代表で、いずれも錐体路障害ではない。
ポイント
  • 一側の錐体路障害→対側の痙性片麻痺→ウェルニッケ‐マン肢位→分回し歩行
  • 分回し歩行は「下肢が伸展・尖足で持ち上がらないから外側に回す」と理由で覚える
  • 鶏歩=下垂足(末梢神経障害)、突進歩行=錐体外路(パーキンソン病)
  • 間欠性跛行は血管性(ASO)と神経性(腰部脊柱管狭窄症)を回復姿勢で鑑別
  • 歩行の型から障害部位を推定する視点をもつ
比較表
異常歩行障害部位代表疾患
分回し歩行錐体路(一側)脳卒中後片麻痺
痙性対麻痺歩行(はさみ脚)錐体路(両側)脊髄損傷、痙直型脳性麻痺
鶏歩末梢神経(下位運動ニューロン)総腓骨神経麻痺
突進歩行・小刻み歩行錐体外路パーキンソン病
失調性歩行(開脚・酩酊様)小脳・後索小脳疾患、脊髄癆
間欠性跛行血管・脊柱管閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症
動揺性歩行(アヒル歩行)近位筋の筋力低下筋ジストロフィー、股関節疾患
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