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理由で解く 柔道整復師

QJ27P025 一般臨床医学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問25
問題
不随意運動で誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 脳性麻痺- 手関節のアテトーゼ
2 重症な肝疾患-羽ばたくような振戦
3 甲状腺機能低下症ーー振幅の小さな手指の振戦
4 ハンチントン(Huntington)病-踊るような動作
解答
正解3(甲状腺機能低下症ーー振幅の小さな手指の振戦)
解説

振幅が小さく速い手指の振戦は甲状腺機能亢進症の所見です。「低下症」との組合せが誤りで、これが答え(正答は3)。

不随意運動は障害される部位で整理すると混同しません。大脳基底核の障害ではアテトーゼ(ゆっくりくねる動き)や舞踏運動(踊るような素早い動き)、バリズム(投げ出すような大きな動き)が現れます。代謝性脳症では羽ばたき振戦が出ます。振戦は、安静時振戦(パーキンソン病)、姿勢時・企図時振戦(小脳障害、本態性振戦)、そして甲状腺機能亢進症でみられる細かく速い振戦、といった具合に「いつ出るか」で分けられます。甲状腺機能低下症は逆に代謝が落ちるため、動作緩慢・無気力・寒がり・便秘・徐脈・アキレス腱反射の弛緩相遅延が特徴で、振戦は代表所見ではありません。

✓ 3. これが答え(誤っている組合せ)
甲状腺機能低下症ーー 振幅の小さな手指の振戦
振幅が小さく速い手指振戦は、甲状腺ホルモン過剰で交感神経系の緊張が高まる甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の所見で、頻脈・発汗・体重減少・眼球突出などと一緒に現れる。低下症では動作緩慢・無気力・徐脈・アキレス腱反射弛緩相の遅延が特徴で、亢進症と低下症が入れ替わっている。
✗ 1. 正しい組合せ(答えではない)
脳性麻痺- 手関節のアテトーゼ
周産期の低酸素や核黄疸などで大脳基底核が障害されると、アテトーゼ型脳性麻痺となる。手関節や手指がゆっくりねじれるように動き続けるのが典型で、妥当な組合せ。
✗ 2. 正しい組合せ(答えではない)
重症な肝疾患-羽ばたくような振戦
肝硬変などで肝性脳症をきたすと、手関節を背屈位に保たせたときに保持が一瞬途切れて羽ばたくように落ちる「羽ばたき振戦(アステリキシス)」が出る。高アンモニア血症を反映する所見で、正しい組合せ。
✗ 4. 正しい組合せ(答えではない)
ハンチントン(Huntington)病-踊るような動作
常染色体顕性(優性)遺伝の神経変性疾患で、線条体が変性する。舞踏運動(踊るような素早い不随意運動)に認知機能低下・精神症状を伴って進行するため、正しい組合せ。
ポイント
  • 細かく速い手指振戦=甲状腺機能亢進症。低下症は動作緩慢・無気力・徐脈
  • 羽ばたき振戦=肝性脳症など代謝性脳症。手関節背屈保持で確認する
  • アテトーゼ・舞踏運動・バリズムはいずれも大脳基底核系の障害
  • 安静時振戦=パーキンソン病、企図振戦=小脳障害と「いつ出るか」で分ける
  • 否定形の設問。誤っている組合せを1つ選ぶので、正しい3つを消していく
比較表
不随意運動代表的な疾患・病態障害部位・機序
細かく速い振戦甲状腺機能亢進症(バセドウ病)交感神経系の緊張亢進
安静時振戦(丸薬丸め様)パーキンソン病黒質‐線条体系
羽ばたき振戦肝性脳症、尿毒症、CO₂ナルコーシス代謝性脳症
アテトーゼ脳性麻痺(核黄疸など)大脳基底核
舞踏運動ハンチントン病、リウマチ熱(小舞踏病)線条体
企図振戦小脳疾患、多発性硬化症小脳
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