学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §4 診察各論 打診 / QJ26P029

理由で解く 柔道整復師

QJ26P029 一般臨床医学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問29
問題
肺肝境界の位置を決めるのに用いられる身体診察法はどれか。
選択肢
1 視診
2 打診
3 聴診
4 触診
解答
正解2(打診)
解説

肺肝境界は、含気のある肺の清音から実質臓器である肝臓の濁音へ変わる位置で判定するため、用いる診察法は打診です。

打診は体表を叩いて生じる音の高さ・持続・響きから、内部が空気か液体か実質かを推定する手技です。含気の多い正常肺では清音、肝臓や心臓など実質臓器・液体の部位では濁音、胃泡や腸管など空気が多い部位では鼓音になります。右鎖骨中線上を上から下へ順に打診し、清音が濁音に変わる高さが肺肝境界で、通常は第5〜6肋間付近です。この境界は肺の下縁の目安になり、肺気腫のように肺が過膨張する病態では境界が下方へ移動し、胸水や無気肺では逆に上方へ移動します。深呼吸で肺肝境界が上下に動く幅(横隔膜の可動域)も評価でき、動きが乏しければ横隔膜の運動障害や過膨張を疑って呼吸機能の評価へつなげます。

✓ 2. 正しい
打診
清音(含気肺)から濁音(肝臓)へ変化する高さで境界を決めます。右鎖骨中線上の第5〜6肋間付近が目安で、肺の過膨張では下降します。
✗ 1. 誤り
視診
視診では体表の形状・色調・呼吸様式・胸郭の動きの左右差などを観察します。体内の含気と実質の境目を判定することはできません。
✗ 3. 誤り
聴診
聴診は呼吸音・心音・血管雑音・腸雑音など、体内で発生する音を評価する手技です。呼吸音の減弱から病変を推定できますが、境界線の位置決定には用いません。
✗ 4. 誤り
触診
触診では肝縁や脾臓、圧痛、腫瘤、皮膚温などを確認します。肝縁の下端は触れられますが、肺と肝の境界の高さを決めるのは打診です。
ポイント
  • 肺肝境界は打診で決める。清音(肺)→濁音(肝)へ変わる位置で、右鎖骨中線上の第5〜6肋間が目安。
  • 打診音:清音=正常肺、濁音=実質臓器・胸水、鼓音(過共鳴音)=気胸・肺気腫・胃泡。
  • 肺の過膨張(肺気腫)で境界は下降し、胸水・無気肺では上昇する。
  • 診察の基本順序は視診→触診→打診→聴診(腹部は視診→聴診→打診→触診)。
  • 深呼吸での境界移動幅は横隔膜可動性の指標になる。
比較表
診察法わかること代表的な所見
視診形・色・動き胸郭変形、呼吸様式、チアノーゼ
触診硬さ・圧痛・拍動・腫瘤肝縁、心尖拍動、圧痛点
打診内部が空気か実質か肺肝境界、心濁音界、胸水の濁音
聴診体内で発生する音呼吸音・ラ音、心音・心雑音、腸雑音
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